1989年に創部し、98年に全国大会初出場。以来16回にわたって全国大会に出場してきた剣道部。全国高校選抜大会男子ベスト8、全国高校総体(インターハイ)女子3位、といった実績を重ね、今年3月の全国高校選抜大会では男子団体で見事優勝。悲願だった全国制覇を果たした。「力を出し切ることだけを考え、一心不乱に勝負しました。子どものころからの夢がかない、すぐには信じられなかった」とキャプテンの田中和弥君(3年)は言う。

「三本勝負の試合では、一本取ろうと思うほど取られやすくなる。今回わずかな差で勝ち上がることができたのは、攻めながら我慢する粘り強い試合運びができたから」と相川浩一監督。「チャレンジャーとして、練習してきた通りのことができたのもよかった」と話す。また、決勝の苦しい局面で二本勝ちするなど、副将としての役割をきっちり果たした泉和毅君(3年)が優秀選手賞に選ばれた。

躍進のきっかけは2004年に開催された埼玉国体だ。部員2人が団体戦に出場して優勝したこと、その際に相川監督がコーチとして指導にあたっていたことで“部の全国制覇”がより現実的な目標になった。全国の強豪校に胸を借りるつもりで練習試合を重ねたこともレベルアップにつながった。

「どんな相手にも自分たちらしく元気に向かっていきたい」と田中君。「相打ちをいかにものにするかにこだわる」という相川監督のもと、技に磨きをかけてインターハイに挑む。 (野口涼)

学校紹介
1925年創立。髙階良雄校長。生徒数1476人。学園理念は「響生」。目標達成のために響きあい、前進する。