未来志向の製品を世界の自動車メーカーに提供 人材開発部人材育成部 次長 桂山光弘さん

アイシン・エィ・ダブリュは、オートマチックトランスミッション(動力伝導装置)では専門メーカーとして世界NO.1であり、カーナビゲーションシステムにおいても世界初のボイスナビゲーション開発に成功し、この分野の先駆者的な役割を果たしている。海外にも進出しており、ハイブリッドシステムをはじめ未来志向の製品を手掛け、世界各国の自動車メーカーに提供している。

その活力の源泉はなんといっても「人材」であるとの考えに立ち、工業高校出身者から技能研修生を募り、選抜し、企業内の技能研修センターで1年間、心身を鍛え、知識・技能を磨いていく。研修生はその後、各現業系部門のリーダーとして活躍していくのだ。

「研修生は年によって多少の増減はありますが、機械系80 人、電気系20 人、電子系10 人をベースにしています。現在は地元愛知県と九州の工業高校の卒業生が多いのですが、これからは東北地方をはじめ、全国の工業高校から未来のリーダー候補を募っていきたいと思っています」(人材開発本部人材育成部次長・桂山光弘さん)

「ものづくりはチームワーク。そのためにはコミュニケーションが大事です。人の話を素直に聞ける人が、自分の欠点を直し、長所を伸ばしていくことができます。1年間で、すごく成長を感じます」と、技能訓練グループ職長の阿知波孝司さん。

研修生出身で現在、「技能五輪グループ」で技能を磨くことに専念している久保田匠さんは、愛知県立刈谷工業高校の出身。高校時代は溶接が大好きだったが、今は旋盤に一日中向かっている。

「高校時代から工作技術には多少自信がありました。アイシン・エィ・ダブリュは高校の先輩も多く、納得いくまで技術を磨く時間を与えてくれると聞いていたので、どうしてもこの会社に入りたいと思いました。やる気のある人間に応えてくれる会社です。昨年、初めて技能五輪全国大会に出て敢闘賞をもらいました。今年は金メダルを狙います」と張り切っている。

研修センターは工業高校と社会の橋渡し。海外での仕事も多くなる時代の中で、「自ら考え、積極的に行動できる人」が求められているのだ。そのパワーが日本の自動車産業を支えている。