東京国体で直撃! 全国未経験のグッドプレーヤーたち

   10月4日~7日、立川市泉市民体育館にて東京国体少年男子バスケット競技が開催された。単体チームでなく数校の混成チームで挑むことが多い国体バスケット競技は、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)やウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会)未出場の好プレーヤーが多く躍動する。普段は敵である同じ県の全国区の選手と仲間となって、全国屈指のスーパースターを相手に対戦――。その中で感じたことを聞いた。(文・写真 青木美帆)

【国体バスケ・全国未経験の好選手1】

自分で体育館を借りて自主練習

高橋晃史郎(神奈川県#6 慶応義塾高3年)

――福岡県(89-97で敗戦)と対戦しての感想を聞かせてください。

自分がマッチアップした杉浦佑成(福岡・福岡大学附属大濠高3年)が有名だったんで、そこで止めたいっていう思いがありました。だけどその思いが強すぎて1対1にこだわってしまったことで、最終的にチームの足を引っ張ってしまった。すごい…申し訳ないです。

――これまでに全国大会の経験はありますか?

中学の時にジュニアオールスター(都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会)のメンバーに入ってはいましたが、全然試合に出られず悔しい思いをしました。だからこそ今回の国体では神奈川県チームの一員として役目を果たして、自分の出来るところまでやってやろうと思っていたんです。実は、神奈川県代表はジュニアオールスターでも福岡県と戦っていて、あのときも2点差で負けました。今日は本当に途中まで勝ちムードで、今度こそ勝てるんじゃないかって思っていたのですが…。

――身長と体の幅がありますが、外のシュートがとてもうまいですね。

自分のチームでもけっこう練習してきていました。半年前に引退してからは、この国体のために自分で近所の体育館を探して毎日シューティングを欠かさずにやってきました。決められてよかったです。

――部活と国体チームとで役割の変化はありましたか?

慶応の時は監督から1番ポジション(ポイントガード)を任されていました。でもまだまだ発展途上です。

――タイムアップの時は、込み上げてくるものがあったように見えました。どのような思いでしたか?

中学からバスケを始めて6年間。中学はあまり環境に恵まれなくて、自分でハンドリングとかの練習をしていました。高校も頑張ってきて…色々思い出してきて。もっともっと頑張れたんじゃないかなっていう、悔しい思いが強かったです。

【高橋晃史郎(たかはし・こうしろう)】
神奈川・横須賀市立田浦中出身。190センチ。兄と、漫画『スラムダンク』の影響で中学1年生からバスケットを始める。国体チームではセンターを務めた。身長に似つかわしくない柔らかいアウトサイドシュートや、技アリのパスを見せた。大学で競技を続けるかは現在考え中。