太田朝弓さん(福島高校3年)は、絵本を送るなどカンボジアの人々を支援する活動を続けている。

カンボジアへのボランティアを続けた太田さん

東日本大震災で義援金が…カンボジアに恩返しがしたい

太田さんは福島県出身。東日本大震災の際に、カンボジアから義援金が届いたことに感動した経験がある。

「カンボジアの人に恩返しをしたい」

その思いで、いとこと2人でボランティア活動を始めた。

自力で絵本を翻訳

活動は「サンキュー・カンボジア・プロジェクト」と題した。絵本を762冊集め、そのうち151冊は自分の力で翻訳した。

その他、お絵かき帳やクレヨン、打楽器などをカンボジアの子供たちに送った。

自己満足では…葛藤したけれど

活動を始めたのは、いとことの2人だけ。さらにカンボジアという知らない国への活動だったため、初めはどうしたらいいか手探り状態だった。

「自分のやっていることが、自己満足になっていないか」

不安な気持ちもつきまとった。しかし、「カンボジアの人に恩返しがしたい」「子どもたちに勉強する楽しさを知ってほしい」という強い思いは失われなかった。恩返ししたい、その気持ちを胸に抱き、活動を続けた。

次第に、メディアに活動が取り上げられ、協力してくれる仲間が10人に増えていった。

米国で活動を発表しに

昨年12月に行われた、ボランティア活動を表彰する「第23回ボランティア・スピリット・アワード」では、「米国ボランティア親善大使」に選ばれた。

5月に渡米し、活動を発表しに行く。他の受賞者と関わる中で、「それぞれが自分の考えを持って、オリジナルの活動を自分の力でやっていることに感激した」という。その事をアメリカに行って伝えたいと話した。

米国ボランティア親善大使に選ばれた

今後の夢は、これからも途上国の教育に携わることだ。「子供たちに勉強する楽しさを知ってほしい」(高校生記者 川本采季・3年、写真は事務局提供)