「やる気」は、勉強や部活で大きな成果に導くための源だ。やる気を引き出すための考え方や具体的な行動計画などを、教育に関するさまざまな専門知識を持つ石田勝紀さんに教えてもらった。(中田宗孝)

Q.そもそも目標や夢、希望もないです。将来何をやりたいか、何になりたいかすらもわかりません。どうしようもないのでしょうか……。

A.まずは少しでも心が動くことを「つまみ食い」的にやってみよう!

「心が動くこと」をしよう

自分の希望や目標を見いだして、「自分はこうなりたい」と本気で決めないと、やる気は生まれません。そもそも、希望そのものが見つからない、ということですね。

 

高校生の段階でやりたいことは見つからないのは、至って普通です。高校生の行動範囲は狭いため、まだやりたいことを知らないだけ、出会ってないだけなんです。まずは、何かしら「自分の心が動くこと」「少しでも興味を持てること」を「つまみ食い」的に、いろいろやってみてください。背伸びや無理をして新しい挑戦をする必要はありません。普段の自分の行動範囲の中で「心が動くもの」が何かあるはず。それを見つけましょう。

プラスの言葉を使おう

みなさんの中には「好きなことが見つからない」という人もいるでしょう。「やると心地いいなと感じる」ことをやってみてください。気分が前向きになり、自分の心が変わっていきます。今までは気乗りせずやりたくなかったことも「……やってもいいかな」と思うようになります。

そのためには、マイナスな言葉(ネガティブ思考になる言葉)を、日常的に使わないことも心掛けてください。「何もやりたくない…」ではなく「今は休憩時間」という具合です。マイナスな言葉というのは、その言葉を聞いて自分が不快に感じる言葉です。ネガティブ思考の人は、無自覚にマイナスな言葉を発していることがあるので、変えていきましょう。

言葉には力があります。自ら発する言葉には大きな影響力があり、自分自身を伸ばすことも、つぶすこともできてしまうのです。例えば、長所と短所は表裏一体です。例えば「集中力がない」は「周りのいろいろな情報にアンテナを張り気づく力がある」ということです。プラスに捉える思考を心がけるとよいですね。

いしだ・かつのり 

 

教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数。