1月18日(土)・19日(日)に「大学入試センター試験」(以下、センター試験)が行われる。国公立大学を志望する人はもちろん、センター試験利用入試を導入している私立大学を受験する人にとっても、重要な意味を持つ試験だ。河合塾横浜校の校舎長・高野英悟さんに、直前期の勉強法や生活面のポイントを聞いた。

朝型に切り替えてバランスのよい学習計画を

これまでは毎日のように夜遅くまで勉強していて、睡眠不足の人もいるかもしれません。でも、センター試験は朝から行われるため、遅くとも試験1カ月前からは生活スタイルを朝型に切り替え、朝に頭が働く状態にしておくことが大切です

直前期の学習計画を立てるにあたっては、全教科のバランスを考えたうえで、どの科目にどれくらいの時間をあてるかを考えていくとよいでしょう。

 

例えば、数学が苦手な人の場合、やみくもに「数学を勉強しなければ」と考えて他教科が手つかずになると、全体での得点が伸びにくくなるおそれもあります。どの教科もバランスよく勉強することを意識して、「〇月〇日の〇時からは英語の〇〇年度の過去問を解く」というように、いつ何をやるかを明確にした学習計画を立てることをおすすめします。

不得意分野は基礎固めから

知識があやふやなまま過去問を解いても、なかなか成果は上がりません。現時点で暗記や理解が不十分なところがある場合は、その部分を一通り勉強して基礎を固めた上で、過去問に取り組むことが重要です。「あと1カ月しかない」ではなく「まだ1カ月ある」と考え、不得意分野はこれまでのノートや模試などを見直して復習を徹底すると、その後の過去問演習がスムーズに進められるはずです。

過去問の見直しをするときは、解答の正誤だけではなく、「本当に理解した上でその選択肢を選んだのか」という点も必ず確認しておきましょう。解答するにあたって自信がなかった問題については、正しい答えを選択できていた場合でも、教科書などを見直して確実に理解しておくことを心掛けてください。

過去問演習は時間配分まで意識して

センター試験は、試験時間に比して設問数が多く、科目ごとに差はありますが、平均すると1問あたりにかけられる時間は約1~2分と短いのが特色です。そのため、試験直前期の過去問演習では、見直し時間も含めた時間配分を考えておく必要があります。

効率的な時間配分をするには、英語のアクセントの問題のように、あまり時間をかけずに解ける問題は速く正確に解答できるようにしておくことが重要です。

過去問を解くときは、実際の試験時間に合わせて、時間を計りながら取り組みましょう。まず全体の設問に一通り目を通し、「この問題はすぐに解けそうだ」「これは時間がかかりそうだ」といった難易度を見極めた上で、すぐに解けそうな問題から着手するといった“時間を有効に使う解き方”を身につけておくと、試験本番でも役立ちます。

複数の資料では相関関係に着目を

2021年度入試(2021年1月実施)から施行される大学入学共通テストの方針を踏まえ、昨年度のセンター試験では複数の資料を見比べて比較・分析する思考力を問う問題も見受けられました。こういった傾向の問題の対策としては、昨年度の問題を「何が求められているのか」という観点からよく吟味した上で、実際に解いておくとよいでしょう。複数の図表や文章などを見比べて解く問題では、「どの部分に相関関係が見られるか」を意識すると、解答の糸口がつかみやすくなるはずです。

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高野英悟

 

河合塾横浜校校舎長。1989年入塾。駒場校、麹町校、本郷校の校舎長を経て2019年4月より現職。大学入試に関して豊富な知識をもち、高校生や保護者を対象とした講演などを多数行っている。