勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の物理科講師の溝口真己先生に東京大学の物理を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.東大の物理対策のポイントは?

A.大事な部分のみを的確かつコンパクトに表現することが重要

省略できることと書くべきことの見極めを

東大の物理では、書かなくても良い計算などは省略し、大事な部分のみを的確に表現することが求められる。そのためには、「省略しても良いこと」と「必ず書くべきこと」を判断する力が必要だ。知っていることや分かったことを全て書く必要はないので注意しよう。

教科書で用語の定義を確認

コンパクトかつ的確な表現をするには、用語を正確に理解することが欠かせない。例えば、位置エネルギーと運動エネルギーの関係性について説明したい場合は、長々と書かなくても、「力学的エネルギー保存の法則より」という一言でさまざまな現象について表すことができる。迷ったときは教科書に戻って、それぞれの用語の定義をしっかり確認しておこう。

問題文を正確に読み取ることも大切

的確な答案を作成するには、問題文を正確に読み取ることも重要だ。用語の定義については、問題文の中で触れられている場合もあるので、「この問題におけるこの用語は何を指しているのか」ということを、問題文の文脈を押さえたうえで読み取ることを心掛けてほしい。

なお、自分だけで学習していると、知らず知らずのうちに自己流の解釈をしてしまうこともある。過去問はできれば複数の友達と一緒に解いて解き方を話し合ったり、学校や塾の先生に答案の添削をお願いしたりするとよいだろう。

みぞぐち・まさき

 

博士(理学)、専門分野は原子核理論。本格的なのに分かりやすい授業に定評があり、教材執筆なども担当。