東京大学は11月11日、2020年度推薦入試の出願状況を公表した。147校の173人から出願書類が届いたが、推薦入試をはじめてから5年連続で募集人数(100人程度)の2倍を下回った。

東大の推薦入試は、学部ごとに募集人数の目安を設定して先行している。高校1校から男女各1人ずつまで推薦できる。

今回の出願者173人は、16年度入試・17年度入試と並んで、最も少ない。内訳は、男子98人(56.6%)、女子75人(43.4%)。地域別では東京39人(22.5%)、東京以外の関東35人(20.2%)、その他の地域99人(57.2%)。一般入試に比べ、女子や関東以外からの出願の比率が高い。

今回初めて出願があったのは38校。これまでの5回の実施で1回でも出願があったのは、440校になったという。

今後、各学部で出願資格の審査や書類による第一次選考を行い、通過者に12月に面接や集団討論などの選考を学部ごとに実施。1月の大学入試センター試験の成績もふまえ、2月に合格者を発表する。

東大の推薦入試はこれまで4回の実施では一度も合格者が募集人数に達していない。「5年たった時点で見直す必要がある」(福田裕穂・入試担当理事)という考えから、現在、推薦入試の改善のためのワーキンググループを設け、高校にアンケートを送ったほか、推薦入試で入学した学生や、教員の声を聞いている。「これをふまえて、推薦入試をどうするか議論する」という。

【東京大学推薦入試 これまでの出願人数(校数)】

2016年度入試 173人(151校)

2017年度入試 173人(159校)

2018年度入試 179人(155校)

2019年度入試 185人(165校)

2020年度入試 173人(147校)

【東京大学 2020年度推薦入試 学部ごとの出願者数一覧】

※学部名の後のカッコ内は募集人数の目安。今後、各学部で出願資格を満たしているかなどの審査をする

法学部(10人程度) 14人

経済学部(10人程度) 6人

文学部(10人程度) 11人

教育学部(5人程度) 15人

教養学部(5人程度) 19人

工学部(30人程度) 51人

理学部(10人程度) 37人

農学部(10人程度) 11人

薬学部(5人程度) 4人

医学部医学科(3人程度) 4人

医学部健康総合科学科(2人程度) 1人

合計(100人程度) 173人