勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の世界史科講師の鵜飼恵太先生に難関私立大学の世界史を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.難関私立大の世界史対策のポイントは?

A.まずはセンター試験レベルの基礎固めから始めよう。

センター過去問で9割正解を目標に

難関私立大の入試では、細かな知識に関する出題がなされる場合もある。でも、初めから細かい知識を覚えることを目的とするのではなく、まずはセンター試験の過去問で常に9割は正解できるだけの基礎力を身につけることを目標にしよう。

センター試験の過去問で9割正解できれば、一通りの分野を理解している状態なので、早慶レベルの問題でも5割は得点できるはずだ。「難関大志望だから難問対策をしなければ」といきなりハイレベルの問題から取り組むのではなく、「難関大志望だからこそ基本を落とさないようにしよう」と考え、まずはセンター試験レベルの基礎固めを徹底してほしい。

問題を解きながら知識を整理

勉強するときは、「用語などを覚えてから問題を解く」のではなく、「まず問題を解いてみて、できない部分をつぶしながら知識を整理していく」ことを心掛けよう。実際に過去問や入試形式の問題を解いてみることで、「この知識については、こういう問われ方をするのか」ということが分かるようになる。

一問一答式の問題集は英語でいう単語帳のようなものなので、これに取り組むだけでは問題演習とはいえない。知識を整理するために取り組むのはよいが、必ず入試形式の問題演習にも並行して取り組むようにしよう。なお、一問一答式の問題集を選ぶときは、分厚いものを選ぶと1周するのに時間がかかるため、幅広い分野の重要な要素だけがコンパクトにまとめられている、薄めのものを選ぶとよいだろう。

 

うかい・けいた 歴史上の人物になりきる講義が「つながりが分かる」と好評。著書に『大学入試 ストーリーでわかる世界史B』(KADOKAWA)。