実験結果の矛盾に困惑

私は1年生の後半から、スーパーサイエンスハイスクールの活動で階段を楽に登る方法について研究をしている。歩幅や速さなど考えるべき条件がたくさんあり、試行錯誤の繰り返しだ。

まず学校の階段で実験した。次に学校での実験結果がより高い建物の階段でも成り立つかを確かめた。しかし、高い建物で行った実験の結果は学校で行った実験の結果と矛盾していたのだ。「結果は同じだろう」と思っていたため、どうしたらよいかわからなかった。

学校の階段を上って実験

事実を受け止め、頭を使って理論を見つける

その時、研究授業の担当だった先生が助け舟を出してくれた。「それでは今までの考え方と逆になってしまう。今までと同じように考えればいい。事実は事実として受け止めてそこから考えることが大事」。この言葉を聞いて、自分がいかに何も考えずに、出てきた結果を丸のみにしようとしてきたかを思い知った。

その後、私は先生たちの力も借りながら自分の頭を使って、この矛盾を解決できる理論を見つけた。大変ではあったがとても充実した時間だった。

実験に使った機材

自分で考えることは楽しい

この経験を通して、自分の頭で考えることの必要性と楽しさを知った。テストは教科書の丸暗記で臨んでいたので、「学校の勉強はつまらないから嫌だ」といつも考えていた。しかし、これは学校の勉強のせいではなく、自分で考えないことが原因だったのだ。研究がきっかけで、勉強する際に自分の頭を使うことを心掛けている。私の中で勉強と楽しみの境目が薄れている。(越沢琴奈・3年)