医師になるには、医学部へ進学することが必須だ。何をどのように学んでいるのだろうか。京都府立医科大学教育センター長の山脇正永教授に、医学部についての疑問に答えてもらった。(木和田志乃)

生涯勉強する姿勢が必要

――医学部に向いている高校生の特徴は?

医学は常に進歩していますし、医師になった後も専門を深めていく必要がありますから、医学を学ぶのに向いている人は生涯勉強する姿勢を持っている人です。自分で問題を発見し解決しようとする姿勢も重要です。人間や病気に関心がある人が向いていますね。

――医学部志望の高校生が今のうちからできることは?

高校時代には物事をよく考える経験をしてほしいです。高校時代は医療関係である必要はありませんが、ボランティアを経験してほしいと思います。できれば医療や介護の現場の見学もしてみてほしいです。

医師は問題発見→解決の力が要る

数学や国語、政治経済も関連

――医学と高校時代の勉強で、関連するものはありますか?

一見、無関係にみえるような科目や分野も医学と深く関わります。以外かもしれませんが、統計や微分、三角関数など数学の知識は必要です。医学にはハイテクノロジーの機械が導入されていますので、使いこなすには数学のセンスが求められます。

地域医療に関わる際には、その地域の歴史や抱えている課題を知っておかなければ、患者さんのニーズに応えられません。政治経済の動きは医療にダイレクトに関係してきます。国語も患者さんの心理や行動を理解し、コミュニケーションを取る上で役立ちます。無駄なことはありませんので、興味のあることを伸ばしていってください。

山脇正永教授 
京都府立医科大学教育センター長、同大総合医療・医学教育学教室教授

 

やまわき・まさなが 1988年東京医科歯科大学医学部卒業。2011年より現職。日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医学教育学会認定医学教育専門家。