【新テストも怖くない! 受験勉強の王道5】岩科琢也先生(駿台予備学校 現代文科講師)

各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の岩科琢也先生に教えてもらった。

共通点と相違点に着目

 

新テストの現代文では、右に挙げたような点が変更になる。複数のテクストや資料を、比較・統合しながら読むことに慣れる必要がある。問題集の同じテーマの文章や、一つのテーマについて複数の論者が意見を述べている新聞コラムなどを、共通点と相違点を意識して見比べる練習をすると良い。

表やグラフを含む「実用国語」では、中心となる文章と個々の資料との関係性を読み取れるかが問われる。やみくもに資料全てを読み込むと時間切れになるおそれもある。まずは設問の意図を正確に読み取り、複数のテクストや資料のどこに注目すべきかを考えてから、個々の資料を見ていくことが重要だ。表やグラフでは変化が大きいところに着目し、その変化から何が言えるかを考えよう。

まず端的に書いてみる

長めの記述問題に関しては、最初から120文字で書こうとせずに、まずは指定の条件を満たした端的な答えを少なめの文字数で書いてみよう。そのあとで必要な肉付けをして120文字に膨らませると書きやすくなるはずだ。テクストを読んだ時点で「ここは重要だ」と感じた点には線を引くなどしておくと、記述問題を解くときのヒントになる。

問題演習の際は解答を見ただけで理解したつもりにならず、必ず書き写すようにしよう。文章を書き慣れていない人は、新聞の一面のコラムなどの書き写しから始めるのでも構わない。

なお、記述問題の正誤を自分で判断するのは難しいので、可能であれば学校や塾の先生に添削してもらうと良いだろう。数人の友達と答案を見せ合いながら、「なぜこの点に着目したのか」「自分が最も伝えたかったことは何か」を説明する機会をつくるのもお薦めの勉強法だ。

週1回の問題演習が必要

日々の学習では、学校の小テストなどを活用して漢字や語彙(ごい)を勉強するとともに、週1回程度のペースで問題集に取り組み、初見の文章を読む練習を重ねていこう。現代文は地道な勉強を継続することで力が伸びる科目なので、一気にまとめてやるよりも、定期的にコツコツと勉強することを心掛けてほしい。(構成・安永美穂)

 

いわしな・たくや 

オーソドックスにして力強く、思考力全開の授業を展開。東京大、一橋大、筑波大、早稲田大などの入試問題の分析や特別授業も担当。