勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の現代文科講師の岩科琢也先生に東京大学の現代文を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.東大入試の現代文対策のポイントは?

A.正確に読み取るために、文章の構造と内容をつかむ練習を徹底しよう。

 

意味段落に分けて展開と内容を押さえる

東大の現代文は、各設問の傍線部について答えていくと文章の全体像が浮かび上がるような構成となっていて、「文章をしっかり読めているか」という点が問われる。正確な解答をするには、文章の構造と内容をしっかり捉えることが重要だ。

そのために、まずは文章をいくつかの意味段落に分けて捉え、「どのように展開されているか」「どのような内容が書かれているか」を押さえていこう。本文を読むときは、常に「何が話題になっているのか」を意識して、話題の移り変わりを追いながら、筆者の主張に注目していくとよい。

過去問の本文を要約しよう

文章の構造を把握するための訓練としては、過去問の本文の要約がおすすめだ。要約するには、「筆者はどのような主張を伝えるために、どのように論を展開しているのか」を考える必要がある。この訓練を重ねておくと、最後の設問で出題される文章全体を踏まえての記述問題にも対応できる力が身につくはずだ。

記述問題は何度も書き直す習慣を

60文字程度の記述問題では、ポイントを押さえて簡潔に記述しなければならないため、日ごろから語彙力と表現力を鍛えておく必要がある。自分で答案を作成したら、解答と照らし合わせて、必要な内容を的確な言葉で表せるようになるまで何度も書き直すことを習慣にしよう。

 

いわしな・たくや

 オーソドックスにして力強く、思考力全開の授業を展開。東京大、一橋大、筑波大、早稲田大などの入試問題の分析や特別授業も担当。