「涼宮(すずみや)ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」などで知られるアニメ制作会社「京都アニメーション」の3階建てスタジオ(京都市伏見区)が放火され、35人が死亡し34人が重軽傷を負った。警察庁によると、放火事件の犠牲者数としては平成以降、最悪の惨事となった。

国内外で人気、巡礼ブームも

 

京アニは1981年創業で京都府宇治市に本社を置き、東京を中心とするアニメ業界の中で京都から作品を発信し続けるユニークな会社として知られる。

10代の若者の日常生活のリアルな描写や実写のような美しい背景など質の高い作画技術で国内外の人気が高く「京アニクオリティー」と呼ばれる評価を確立。京都をはじめとした作品も多く、ファンがゆかりの地を訪ねる「聖地巡礼」ブームの火付け役にもなった。

犠牲者は有名作品で知られる監督やさまざまな分野の専門技術を持つクリエーターで、良質な作品を世に送り続けてきた。これらの人々を悼み復興を望む支援が、京アニ作品の舞台となった「聖地」がある自治体やアニメ制作者の団体・企業、海外にも広がる。

国内外から追悼と支援

現場には献花が絶えず「私の人生を支えてくれた」などの声が…。グテーレス国連事務総長、トルドー・カナダ首相、蔡英文・台湾総統からも哀悼の意が寄せられた。