関西外国語大学外国語学部の長井聖子教授にお話しを伺いました。

長井聖子教授

最高の環境で語学を学ぶ

関西外国語大学では海外55カ国・地域の388大学とのネットワークを生かし、年間約1930人が留学を実現している。留学プログラムも「学位取得」「2カ国に留学」「インターンシップに参加」など多彩で、留学前には海外の大学と協働開発した英語教育プログラムSuper IES(Intensive English Studies)プログラムで、高度な語学力やアカデミックスキルを身につけることも可能だ。また、一人でも多くの学生に留学の機会を与えるため、留学費用の奨学金を用意するなど手厚いサポートが充実している。

キャンパスには約40カ国・地域の大学からやってきた約700人の留学生が学ぶ。さらに昨年、「グローバル人材育成プログラム」がスタート。日本文化や国際関係、政治、経済、歴史など幅広い分野の授業を留学生とともに英語で学ぶ。海外留学と同等の学びが学内で実現している。

さまざまな業界で活かされる語学力と国際感覚

関西外国語大学の卒業生は小中高校の教員、商社や航空、ホテル、旅行業界の他、製造業や金融業などさまざまな業種で、在学中に身につけた語学力と国際感覚を発揮している。中でも航空関連業界、特に客室乗務員(以下、CA)の採用者数は突出しており、2018年度までの3年間に311人、2019年3月の卒業生は120人がCAとして採用された。さらに大学ごとのCA採用者数のランキングでは全国1位だ。

自ら考え気づくことがホスピタリティへの第一歩

関西外国語大学が多くのCAを輩出している理由は語学力だけではない。グローバル人材として活躍できる素養を育む「ホスピタリティ」という科目がある。授業の一コマでは、エンターテイメント産業におけるホスピタリティを学び、長井教授が実例やホスピタリティの理論を紹介。「人気テーマパークに何度も来園し、あるアトラクションを担当していた学生スタッフに会うことを楽しみにするようになった幼い男の子がいました。しかし、その学生は就職活動を機にスタッフをやめました。その学生に会いたがる男の子にどのように声をかけますか。そのテーマパークの行動基準に則って考えてみましょう」。長井教授の問いと「シンキングタイム」が繰り返えされ、学んだ理論を「自分ごと」としてとらえるために学生が自分で考え、自分なりの答えを導き出すスタイル。

長井教授は元日本航空のCA経験者。機内販売の企画や客室乗員部室長など地上での仕事も含め幅広い業務に携わり、4年前に関西外国語大学に赴任した。「私の考えるホスピタリティとは、心×感知力×表現する力、そして考える力。どの職業にも求められるものです」。感知力を高めるためには知識が不可欠。「授業では政治や経済の話もし、学生が興味を持ち、知識を増やせば、おのずと気づきが増える」と話す。

学生の就職を支援するキャリアセンターでは、「エアライン受験対策講座」や「エアラインフェア」などがある。これらの講座やイベントでは就職試験向けのノウハウを伝えるにとどまらず、職業観や人生観を育むことに主眼が置かれている。

高いCA採用実績は自分の人生をどう生きるのかを自分自身に考えさせる教育によるものと言えよう。加えて長井教授は「CAになった先輩から後輩にメッセージ入りの折り鶴を贈るなど独特の絆がありますし、一番の強みはCA志望者が多く互いに切磋琢磨しあえること」だと話す。「あなたの可能性は無限大。あきらめるか、あきらめないか。一つひとつの決断があなたの未来を作り上げていく」と学生たちの背中を押す。

先輩に聞く

外国語学部英米語学科3年 鬼木真佳さん(福岡県立東筑高等学校出身)

 

小学2年生の時に、実家に近い北九州空港が舞台になったTVドラマが放送され、客室乗務員(CA)という仕事を知りました。当時、CAとして働く母の友人の経験を聞く機会もあり、以来、CAに憧れてきました。関西外国語大学を志望したのはCA採用者数が全国1位だったからです。All Englishの授業など英語力の向上も期待していました。

授業は予想以上に大変でした。平均すると毎週A4用紙5枚程度のレポートを2つ作成し、それをベースに発表、議論をします。すべて英語です。初めは苦労しましたが、2年生になるとレジュメがなくても発表や議論ができるようになり、英語力がついたと実感しています。また、飛行機の客室を模した教室で乗客と乗務員の実践的な英会話を学ぶ授業や、キャリアセンターが行う「エアライン受験対策講座」を受講できます。長井先生の「ホスピタリティ」の授業では顧客が求めるサービスを、具体例をもとに学びました。CA志望以外の学生の方が多い授業でしたが、仕事の意義を考え、自己を分析することを通じてCAを目指すモチベーションが高まり、目指すべき将来像が具体的になりました。何よりも大学の行事で知り合った先輩たちや学内に大勢いるCA志望の仲間たちの存在が私の励みになっています。