ボール部。部の真骨頂〝走るバスケ〟は、1秒も無駄にしない日々の練習で培われている。(文・写真 白井邦彦)

練習で使えるコートは、常に体育館の半面。リングは3つのみ。24 人の部員が練習するには、決して広くない。限られた環境で結果を出すために、部が練習で心掛けているのは「1秒も無駄にしない」ことだ。

例えば、順番待ちの時間がもったいないので、2対1の練習は、3つのリングを使って全員で一斉に行う。1対1では、シュートを放った選手は、ボールがリングを通過するまでの間に腕立て伏せをする。中村えりな(3年)=兵庫・上ヶ原中出身=は「シュートしてボールが落ちるまで3秒ある。ぼ~っと眺めている時間がもったいない」と説明する。 顧問の吉川公明先生(47)の哲学は「コート上は命を懸けろ」。一度コートに入ったら集中力を切らさず、常に動き回ることを要求する。

落ちた汗で足を滑らせてはいけないので、「ストレッチは必ずコートの外で行う」(吉川先生)という徹底ぶりだ。

地下1階から5階までの階段を25往復するダッシュと、コートを1往復半走った後にドリブルで2往復するメニュー約10 本を日替わりで行っている。主将の新井友茉(3年)=同・山手中出身=は「試合の方が練習よりも楽。試合で疲れたと感じたことがない」と話す。

豊富な運動量を武器に、夏も冬も日本一を目指して走り抜くつもりだ。