経済学に興味があるけれど、実際にどんなことを学ぶのかイメージが湧かない…。そんな高校生に向けて、神戸大学経済学部の中西訓嗣教授に、経済学部についての疑問に答えてもらった。(木和田志乃)

Q.数学が苦手な高校生は経済学部に入学すると苦労しますか?

A. 高校の数学が理解できていれば大丈夫

 

経済を勉強する上で数学が必要だと聞き、「数学をやらなきゃいけないのか」とネガティブな反応をする人をよく見聞きしますが、高校の「数学Ⅱ・B」までが理解できていれば十分です。苦手でもトレーニングすれば慣れていくものです。数学はまったくできないと困りますが、それがものすごくできなければならないかと言われるとそうでもないと思います。

私自身が受験した時、入試科目に数学がありましたが、入学後に数学が必要になるとはあまり思っていませんでした。数学ができると、消費や生産など人々の行動を関数や方程式を利用して表現する数理的アプローチが頭に入りやすくなりますし、経済社会を分析する首尾一貫した方法が分かって、経済学をおもしろいと感じられるようになりました。

 

中西訓嗣教授(神戸大学大学院経済学研究科長・経済学部長)

なかにし・のりつぐ 広高校(広島)出身。広島大学経済学部卒。神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了。経済学博士。専門は国際経済学。時差がサービスの国際貿易に果たす役割に関心。