2月の関東新人大会で、3位という好成績を挙げた千葉英和高校。今年のスタメンは、下級生のころから主力を務めてきた選手がそろう。突出した点取り屋はいないが、抜群のチームワークで攻め、5人全員が2ケタ得点を挙げられる。

ポイントガードの石橋玲奈さん(3年)は「長く一緒にプレーしている分、コートに立っている全員が『この状況ならこの人が点を取りやすい』と分かる。今年の英和はチーム力が強みです」と胸を張る。

1対1の練習中に笑顔がのぞいたキャプテンの大熊さん

練習前後にスピーチ開始

1月の県新人大会決勝は昭和学院高校に6点差、関東新人大会準決勝は優勝したアレセイア湘南高校(神奈川)に3点差の惜敗。どちらの試合も序盤のリードを守り切れず、終盤に逆転された形だった。特に関東新人準決勝は残り3分での逆転負け。選手たちは悔しさのあまり涙にくれた。

「点差を詰められて焦ってしまい、立て直せなかった」。石橋さんがこう振り返るこの試合の反省を受け、選手たちは自分たちの課題を強く意識づけるために、練習前後にスピ―チを始めた。練習前はキャプテンの大熊彩葵さん(3年)がその日の目標を伝え、練習後は各学年1人ずつが目標に対する反省点を話す。

森村義和コーチはよりスピーディーな攻撃を展開するために、通常よりも重いボールを使ったドリブル練習とパス練習を導入。石橋さんは「パスもドリブルも以前より強くなった」と効果を語り、大熊さんは「練習後はいつも筋肉痛になる」と笑った。

力を合わせて勝つ

 千葉県はこれまで2チームがインターハイ(全国高校総体)に出場できたが、今年から1チームとなる。千葉英和が2014年以来5年ぶりに出場するには、県の頂点を独走する昭和学院を倒すことが絶対条件。能力の高い選手が全国から集まるエリート校に対し、千葉英和は中学時代に都道府県選抜を経験した選手がほとんどいない、いわば「無印」のチーム。大熊さんは「今まで苦しい思いをしてきたぶん、最後はみんなで力を合わせて勝ちたい」とラストシーズンの抱負を語った。

中学時代の実績のある選手や長身選手は少ないが、チーム力で強敵撃破に臨む千葉英和高校

チームデータ

部員34人(3年生13人、2年生11人=うちマネジャー1人、1年生10人)。著名な卒業生に藤岡麻菜美(JX-ENEOS)。水曜日は提携している整形外科よりトレーナーを招き、トレーニング日としている。