コンテストで最優秀賞

3月、栃木県の高校生・大学生らが自ら考えた起業プランを発表する「第6回とちぎアントレプレナー・コンテスト」(実行委員会主催)の最終選考会が実施された。応募総数1052件の中から選ばれた12組による最終プレゼンテーションの結果、「ユニセックスデザイン専門のアパレルメーカーの設立」を提案した舘野知紘さん(たての・ちひろ)(栃木・宇都宮女子高校3年)が最優秀賞に輝いた。

自らデザインしたユニセックスの「白いシャツ」を着てとちぎアントレプレナー・コンテストのプレゼンに臨んだ舘野知紘さん(写真は舘野さん提供)

舘野さんは前回の同コンテストにも参加し、最優秀賞に一歩及ばなかったものの優秀賞を受賞。「前回は考案した事業に懸ける自分の情熱が足りなかった。その反省を生かして、大好きなファッション系の事業で再挑戦しました」

ユニセックスの服を販売

舘野さん自身が、普段からメンズライクの服装を好んで着用することから、起業するアパレルメーカーのブランドコンセプトに男女を区別しない「ユニセックス」が浮かんだ。「メンズ服を買いたいけど、女性はメンズ服を販売するお店やフロアに立ち寄りづらい。そこでメンズ、レディースの枠にとらわれない服を専門で扱う会社を思い立ちました」。ユニセックスデザインの服を選んだのには、「セクシャルマイノリティー(性的少数者)の方にも着て欲しい」という思いも込めている。

舘野さんが考えた性別関係なく着こなせるプリッツスカートのデザイン画

起業予定の会社名は、フランス語で“白”を意味するBlancと自身の名前の頭文字を組み合わせた「株式会社Blanc.C」。主力商品は、自らデザイン画を描き、地元の仕立て屋で作ってもらった「白いシャツ」。

袖口がゆったりした中性的なデザインが特徴で、裾の部分の深めのスリット(切れ込み)は旬の流行を取り入れた。「男女の友人からカッコいいと言ってもらえた。SNSを通じてセクシャルマイノリティーの方からも作った服を褒めてもらい、自信になりました」

最優秀賞に選ばれたことで開業資金100万円が贈呈され、実際に会社設立を目指す。「まずは海外で服飾の勉強をしたい。同時に新たなユニセックスの服も考えていきます」

(文・写真 中田宗孝)