前橋女子高校(群馬)新聞部は、年2回発行のタブロイド版、主に校内行事を伝える速報版(昨年度は30回発行)の制作に励む。昨年度は全国規模のコンクールで入賞し、今年夏の全国高校総合文化祭(2019さが総文)新聞部門への参加を決めた。

刷りあがった新聞を校門で配る前橋女子高校新聞部員たち(学校提供)

取材は発見の連続

部長の青木優奈さん(3年)は、自分たちの作る新聞を「縁の下の力持ちのような存在」と例えた。「校内のニュースを生徒に広く伝えることで、学校や生徒たちをしっかり支える。そして、常に問題提起をしていく新聞でありたい」

タブロイド判「MJHジャーナル」

タブロイド版「MJHジャーナル」は、校外に取材に赴き、話題性の高い地域の出来事をまとめた、読み応えのある企画が充実している。「取材先では発見の連続。事前にネットなどで下調べしたこと以上の知識を得られるし、取材相手の考えを直接伺うと、自分の見識が広がるんです」(青木さん)。3月に発行した最新号では、県内の野外音楽フェス「グンマー★一揆」(昨年11月開催)の模様をレポート。主催者のインタビュー記事と併せて掲載した。記事を読んだ生徒たちからは、「こんなフェス知らなかった。気になる!」との声をもらったという。

地元新聞社の情熱に学ぶ

同じ号には、「どうなる紙媒体のこれから」と、見出しに掲げた記事も載せた。電子書籍の台頭で、存続が危ぶまれる本や新聞の実状に迫った。紙面では、紙と電子書籍の出版市場データを交えて紙媒体の行く末を鋭く考察。紙媒体の現場で働く人への取材も行った。青木さんは、群馬の地元紙「上毛新聞」編集局長の「新聞は無くならない」という言葉が心に響いた。「『人々に長く読まれてきた新聞の歴史や文化はそう簡単に無くならない』と話してくれました。新聞作りに情熱を懸ける人がいる。同じ新聞作りをする私の励みになったんです」(中田宗孝)

部活データ

創部年不明。部員18人(3年生5人、2年生13人)。活動日:原則週5日。昨年度は第32回群馬県高校新聞コンクール県議会議長賞(2位相当)、第23回全国高校新聞年間紙面審査賞、第48回全国高校新聞コンクール速報賞を受賞。