【新テストも怖くない! 受験勉強の王道2】英語(聴く) 増田悟先生(駿台予備学校 英語科講師)

各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の増田悟先生に教えてもらった。

意味を考えて聴き取る

リスニング対策は「英語をたくさん聴けば良い」と考える人がいるが、何も考えずにただ聴き流すだけでは力はつかない。重要なのは、「今、何を言っているのか」と考えながら、集中して内容を聴き取る練習をすること。聴き取れなかった部分があれば、繰り返し聴き直した後にスクリプトを見て、「何を言っていたのか」を確認しておこう。

集中して聴く練習をするには、リスニング教材の音声を聴きながら問題を解くなど、聴くことに加えて何らかの別の作業にも並行して取り組むことが効果的だ。聴き取った英語を書き取る「ディクテーション」や、聴こえた英語をそのまま声に出して言ってみる「シャドーイング」に取り組むのも良いだろう。

正しい発音を意識して

自分が正しく発音できない音は正確に聴き取れないので、正しい発音を身に付けることもリスニング対策になる。教科書の英文などを音読する際には、“sit down”であれば“t”の音が抜け落ちて“スィッダウン”と発音するというように、音の変化に注意して読むことを意識しよう。文法学習の際に、覚えた基本例文をはっきりと声に出して読むことも発音の練習になる。

なお、試験本番では、問題用紙に書かれた設問や選択肢に前もって目を通すと、「どのポイントを聴き取れば良いのか」を予測できることもある。音声が流れ出したら英文の中身を聴き取ることに集中し、メモを取るのは聴くことの妨げにならない程度にしよう。

「読む」練習も忘れずに

新テストではリスニングと読解の配点の割合が1:1となり、センター試験よりもリスニングの比重が高くなる。ただ、読んで分からない文章は聴いても分からないので、語彙(ごい)と文法の基本を身に付けた上で読解力を養っていく必要があることに変わりはない。

リスニングでは聴こえてくる順に英語を理解する必要があるため、英文を読むときも前から順に大意を読み取っていくように意識するとよいだろう。「聴く」練習と並行して「読む」練習もするというように、「書く」「話す」も含めた4技能をバランス良く学習することを心掛けてほしい。 (構成・安永美穂)

 
 

増田悟先生

(駿台予備学校 英語科講師)

ますだ・さとる 東京都出身。東大大学院ではロシア文学を専攻。分かりやすく熱意あふれる正統派の授業が身上。