導入に成功したパンの自動販売機の前で目安箱を持つ越智亮太君

パンを自販機で買いたい

越智亮太君(東京・成城高校3年)は、昨年度、生徒会長を務めあげた。就任した昨年5月、導入予定の自動販売機に関する要望を記した企画書を教頭先生に提出した。生徒会が校内に設置する「目安箱」に投書された、多数の生徒からの「パンを購入できる自販機が欲しい」との声を受けて行動に移した。

中高一貫の同校で中1から生徒会の活動に携わる中で、越智君が培った企画書作成のスキルを生かした。「企画書には『理由』『メリット』『デメリット』『デメリットの解決策』を必ず記します。今回の自販機導入は、多くの生徒から中身に関する強い要望があったので、その意見も企画書に盛り込みました」。そして学校側の許可を取り付け、昨年7月に生徒の声を反映した自動販売機4台の導入を実現させた。

生徒会の在り方、見つけた

学校での生徒会活動と並行して、生徒会活動に取り組む首都圏の高校生らの組織「首都圏高校生徒会連盟」に高校1年から参加。昨年度は代表を務めあげた。

年6回の定期連盟会では、生徒会活動に取り組む首都圏の高校生らが集まり、より良い生徒会運営を行うための活発な議論を交わす。「他校の生徒会メンバーの意識の高さに圧倒されました。他校の生徒のディベート力や考え方、自分の将来のビジョンも明確に語る人もいて、とても刺激を受けました」。同連盟の活動を通じ、「まずは生徒会の生徒たちが自らの活動を楽しむことが大事」だと、生徒会の在り方を見いだした。

「堅苦しい雰囲気」と感じていた生徒会会議の改善に乗り出した。「もちろん、真面目な部分も必要。ですが、会議に参加した生徒が『今日は楽しかった』と思える場にしたかった。そこで、フリートークの時間を増やして、面白い会議を心掛けたんです」。すると、学年の垣根を越えた雰囲気ができあがり、「今まで以上に明るく、居心地の良い生徒会に変わりました」(文・写真 中田宗孝)

居心地の良い生徒会に変えることができた