日々、新聞制作に励む島田部長(右)と舛井君

【文化部クローズアップ】崇徳高校(広島)新聞部

崇徳高校(広島)新聞部は、創部70年の伝統を持ち、全国大会の常連校だ。年3回の本紙発行に加え速報版作りに日々情熱を注いでいる。 (文・写真 中田宗孝)

部活成績を全部載せ

同部は、「第48回全国高校新聞コンクール」(大東文化大学主催)でニコン賞(全国5位相当)など、受賞歴多数の強豪だ。紙面内容の充実と発行回数の両方に重きを置いている。昨年8月発行の本紙「崇徳学園新聞」は、創部70年の歴史の中で最も多い12面を制作し、校内外のニュースを届けた。

本紙には全ての部活動の成績を毎号必ず載せており、生徒たちからの注目度が高いという。運動部、文化部の大会成績を細かい文字で紹介。好成績に限らず、1回戦敗退でも取りこぼすことなく結果を伝える。「自分の名前を探す生徒や、クラスメートの試合結果、タイムに一喜一憂してくれています」(部長の島田桜介君・3年)

フィギュア大会を取材

昨年11月には大手メディアに交じり、地元開催の「2018NHK杯国際フィギュアスケート競技大会」の現地取材や写真撮影に奔走。8面刷りの「特集号」として、紀平梨花選手らが活躍した大会舞台裏を濃密にレポートした。

島田君は紙面づくりの心構えを「どんな紙面にしようかと思い描きながら、現地での取材を進めます。そんな逆算の作業が難しいし、やりがいでもあります」と話す。

卒業式の速報版を発行

速報版では、昨年9月に休日を含め毎日発行を達成するなど、昨年度は通算256回発行。創部以来、最多の発行回数となった。

中でも3月の卒業式に毎年制作する速報版は、14組ある卒業生のクラスごとに異なる紙面を式当日に発行するため、部員たちの腕の見せどころとなる。事前に担任の先生などにインタビューを行い、文章にまとめて卒業式に備える。「式当日は、卒業クラスの朝の雰囲気や入場の様子を撮影し、各紙面に盛り込みます」(島田君)

午前中に始まる卒業式が終わるまでに紙面を制作する、時間との勝負となるが、部員たちは結束し、早い号は12時に仕上がった。「見出しを考えたり、式の様子を文章に加えたり。大変でしたが、達成感がありました」(舛井亮太君・2年)。各クラスの特色が紙面に表れた速報版は、卒業生444人と保護者に配布した。

「崇徳学園新聞」本紙。見出しにもこだわる
【部活データ】1949年創部。部員57人(3年生29人、2年生2 5 人、1 年生3人)。第18回中国新聞みんなの新聞コンクール学校新聞の部・最優秀賞。2019さが総文新聞部門への参加が決定。