新しい環境での出会いが増えるこの時期、友達関係のことで悩んだら、どう考えて対処していけば良いのだろうか。「認知行動療法」の専門家である千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授に聞いた。(安永美穂)

Q.友達関係の些細なことで悩みがちな自分を変えるには?

A.ほどほどな感じ方をできるようにしよう。

悩みがちな人の多くは、何もかも完璧にやらなければ気が済まない「完璧主義」、自分はダメだという「自己否定」、他人は信じられないという「人間不信」の3つの考え方のクセを持っています。

これらのクセは完全になくす必要はありませんが、「自分はダメだ」と感じたときに「でもダメではない部分もある」と考え直すというように、偏った考え方をバランスの取れた考え方に戻すことができると気持ちがラクになります。

敏感なタイプは幸せも2倍

些細なことで悩む敏感なタイプの人は、繊細な感性の持ち主なので、喜びや幸せといったプラスの感情も2倍、3倍の大きさで受け取れるという一面もあります。このメリットを自覚したうえで、「友達関係で悩んでしまう自分はダメだ」とは思わずに、「“ほどほどの感じ方”にできるようにバランスを取っていこう」という考え方をしてみましょう。

 
清水栄司教授
しみず・えいじ 千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授。精神科医として、主に不安症やうつ病などの治療を担当。『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房、税抜1400円)など著書多数