5月公開の映画「県庁おもてなし課」に出演する堀北真希さん。映画にドラマに大活躍しているが、高校生のころは女優一本でやっていくか決めかね、悩んでいたという。仕事と勉強の両立に苦労しながらも、「学校生活を大切にしよう」という強い意志を持って駆け抜けた3年間だった。(文・中田宗孝、写真・玉井幹郎)

「高校時代は、仕事場でも教室でも、とにかく眠かった(笑)」。意外なエピソードから話し始めてくれた堀北さん。その言葉の通り、高校に入ると女優の仕事が増え、中学の時より格段に忙しくなった。「仕事との両立は大変でした。でも私は学校生活を大事にしたいと思っていたので、『絶対に卒業する』と決意して、毎日を過ごしていました」

堀北さんは「高校時代も今も、一つのことをきちんと頑張りたいタイプ」と自己分析する。几きちょうめん帳面な性格ゆえに、学校生活は「いつもモヤモヤしていた」という。「仕事場に行くと、学校のことが気になってしょうがなかったです。授業が進んで内容が分かんなくなっちゃう! 試験どうしよう!って。自分の中のフラストレーションは、相当たまっていましたね……」

そんな堀北さんを支えたのは、担任の先生や友達だった。「ノートを貸してくれたり、試験勉強を手伝ってくれたり、本当に助けてもらいました。きっと私の知らないところでもみんなで細かくフォローしてくれていたと思います」と感謝する。 「県庁おもてなし課」では、ふるさとを盛り上げようと活躍する県庁のアルバイト職員・多紀を演じる。高校生には、多紀と若手職員・掛水君(錦戸亮)との恋の行方が見どころだという。「2人とも社会人なのに、彼らの恋愛はもどかしくて初々しい。まるで、高校で偶然同じ委員会になった男子と女子が繰り広げる恋のような爽やかさです」

物語の中では、多紀が将来に悩む姿も描かれる。「高校生は、将来何をしたいのか、自分が何を好きなのか分からずに不安になることがありますよね。私も、高校生の時は女優一本で頑張るなんて思っていなかったし、実際、本気で大学進学を考えて進路相談をしていました」

最終的には女優の道を選択した堀北さん。進路で悩む高校生たちには、こんな言葉を掛けてくれた。「進路決定はいつまでも延ばせない。何かしらの決断をしなければならない場面はやってきます。そのときまでに、できるだけたくさんのことに興味を持ってチャレンジして、いろいろな世界を知ることが大切だと思います。その経験の中から、自分の進路や将来の夢となるきっかけを見つけてください」

 

ほりきた・まき 1988年10月6日、東京都生まれ。2003年から女優活動を始め、多くのドラマ・映画作品に出演を続ける。代表作は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、ドラマ「梅ちゃん先生」。主演映画「麦子さんと」が今秋公開予定。