勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の生物科講師の山下翠先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.中学の理科との学習の進め方の違いは?

A.暗記よりも、複数の問題集での問題演習を中心に。

「なぜ?」の疑問をもち理解することが大切

高校の生物では、中学校で習ったさまざまな現象について、その詳細をさらに掘り下げて学んでいくことになる。そのため、中学校で学んだ「こういう現象が起こる」という知識について、「なぜその現象が起こるのか」という疑問をもち、それを理解していくことが重要だ。

高校の生物は、細かい名称なども含めると暗記事項がかなり多くなるため、暗記ばかりを優先していると問題演習の時間が取れなくなってしまうおそれがある。中学時代、先に暗記を済ませてから問題演習に取り組んでいた人は、勉強法を変えた方がよいだろう。高校では、教科書で太字になっている重要用語の意味を押さえたら、問題演習をくり返しながら知識の定着を図り、細かい名称などは最後の仕上げの段階で暗記するという進め方が効果的だ。

問題演習では、全ての分野が網羅された薄めの問題集を選び、1冊をやり終えたら、次は別の問題集を一通り解いてみよう。1冊をくり返すのではなく、複数の問題集に取り組むことで、さまざまな角度から各分野のポイントを答えられるようになる。入試の過去問を集めたタイプの問題集は、出題傾向が偏っていることもあるため、全分野をバランスよく学ぶには、分野ごとに問題が編集されている問題集を選ぶとよいだろう。

 

山下翠先生(駿台予備学校 生物科講師)

やました・みどり 高1から高3までの授業を多数担当し、熱意にあふれた分かりやすい授業は生徒から多くの支持を得ている。模試の出題や教材の執筆も担当。