勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の化学科講師の黒澤孝朋先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q. 無機化学や有機化学の化合物の名称や性質、構造式を覚えるコツは?

A. 無機化学は理論化学と結びつけて。有機化学は官能基の理解を。

 

化合物の名称を覚えるときは、必ず性質もセットにして理解することを心掛けよう。予習の段階で教科書を読んでから授業を受け、復習をするときは教科書に加えて資料集で図や写真を見ながら理解していくと、物質の性質のイメージがつかみやすくなるだろう。

無機化学は、それだけを単独で学ぶのではなく、理論化学の「酸・塩基」と「酸化・還元」の単元で学んだことを振り返りながら、「なぜそうなるのか」を無機化学の知識を踏まえて整理し直すつもりで勉強していこう。理論化学の視点を生かしながら学んでいくと、既習の内容をもとに理解を深めていけるので、「ゼロから全て覚えなければ」という負担感を減らすことができる。

有機化学は、まずは官能基の構造式と性質をしっかり理解しよう。構造式が頭に入っていれば、「この官能基はこういう性質を持っていそうだ」と推測することも可能になる。実際に構造式を書いてみて、それぞれの原子がどのように結びついているのかをイメージできるようにしておくと、自分が書いた構造式に過不足があると違和感を覚えるようになり、正しい構造式が書けるようになるはずだ。

 

黒澤孝朋先生

(駿台予備学校 化学科講師)

くろさわ・たかとも 現役生から高卒生までの上位クラスを中心に指導。本質を大切にした分かりやすく丁寧な授業は、幅広い生徒から支持を得ている。