決選投票でロシア破る

2025年国際博覧会(万博)が大阪で開催されることが決まった。大阪開催は1970年以来で55年ぶり2回目となる。大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)内の155ヘクタールを会場に、25年5月3日~11月3日の185日間開催する。

昨年11月にパリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会では、決選投票で日本が92票で61票のロシアを下し、開催が決まった。

経済効果2兆円見込むが

テーマは、医療や健康を中心とした「いのち輝く未来社会のデザイン」。人工知能(AI)などの先端技術を駆使した展示が検討されており、2800万人の来場と2兆円の経済波及効果を見込む。

25年大阪万博は20年の東京五輪・パラリンピックに続く一大国際イベントだ。だが、会場建設費で1250億円、運営費800億円、鉄道などインフラ整備に700億円以上が必要と試算され、大きな官民負担となる。「経済の起爆剤」としての期待が膨らむ一方で、「なぜこの時代に万博なのか」と必要性を疑問視する声も多い。情報技術の発達で、展示を見るために人が集まる万博の存在意義は薄れたとの指摘もある。00年の独ハノーバー万博では入場者数が当初予想の半分以下だった。

 

【memo】万博 国際博覧会条約に基づき、BIEに承認された博覧会。産業革命に沸いたロンドンで1851年に初開催され、各国が国威発揚型の催しとして続き、89年パリ万博ではエッフェル塔が建設された。1970年の大阪万博には6421万人が来場、米宇宙船が持ち帰った「月の石」や携帯電話の原点となる「ワイヤレステレホン」が話題となった。