Q 政府の統計で不正があったの?

A 厚生労働省が都道府県を通じて労働者の給与や労働時間の変化を調べている「毎月勤労統計」とよばれる調査が、長年にわたって決められたやり方と違う方法で行われ、その結果、データが誤っていたことが発覚した。

Q やり方がどう違っていたの?

A 「毎月勤労統計」は、従業員5人以上の事業所を対象にした調査だ。このうち500人未満の事業所については一部を抽出し、500人以上の事業所については全ての事業所を対象とすると決まっていた。ところが、東京都の500人以上の事業所については、該当する約1400事業所すべてを調べないといけないのに約500事業所だけを選んで調べていた。

Q 何が問題なの?

A 政府の統計は政策を決める根拠になる。また毎月勤労統計は、失業中の人などに給付される雇用保険などの給付金の算定にも使われていた。データが誤っていたことによりのべ約2千万人の給付金が少なくなってしまったとされる。少なくなった総額は数百億円に上るという。

Q 不正はいつから? なぜ起きたの?

A データは2004年から誤っていたという。事実関係は厚生労働省が調べているが、菅官房長官は、行政機関による統計調査のルールを定めた統計法の規定に違反していたのではないかという認識を示している。与野党も「国民の不信を招く重大問題」などと追及を強めている。