やみくもな暗記はNG

物理は、無関係に見えるさまざまな現象から規則性を見つけ出し、数式を用いて表現する学問だ。その規則性を用いて、新たに起こる現象を予測することが可能になる。

高校の物理の問題はほとんどが「未来の予測(例えば、初速度が与えられている空中に投げ出した物体の、その後の変位や速度の時間変化の計算など)」だ。それができるようになるために、法則や公式をやみくもに暗記しようとせずに「法則や公式をどのように問題に適用するのか」を理解することを心掛けてほしい。教科書や参考書を使うときは、式の部分だけでなく、その式の前後にある文章の細かい部分もよく読んで理解すると、その式が意味することがよりよく分かるようになる。

法則の理解を深めよう

法則や公式は、授業を聞いて分かったつもりになっていても、いざ問題を解こうとすると、それらの使い方が分からないというケースも多い。授業の復習をするときは、教科書やノートを見直すだけでなく、必ず問題を解いてみて、法則や公式を用いる練習を積み重ねよう。

問題を解くことを通して法則や公式の理解を深めることや、自分の間違えに気づくことができるからだ。解答を見ずに自力で解けるようになってこそ、実力が付いたと言える。そこを目標に頑張ろう。

気づいた点はノートにメモ

授業中、ノートを取りながら「なぜこうなるのだろう?」と疑問に感じることがあれば、その箇所に印をつけて、授業の後で先生に質問するなどして解決しておこう。そのときに新たに分かったことや、それまでは間違えていたが理解したところなどをメモしておくと、定期テスト前の見直しをするときに役立つはずだ。

なお、物理は一つ一つの現象をバラバラに理解しようとするよりも、さまざまな現象を体系的につなげて学習した方が理解しやすいという面もある。そのため、それぞれの分野の基礎から発展的な内容に至るまでを、つながりを重視して詳しく解説している参考書を活用することも、物理の面白さに気付く一つのきっかけになるといえるだろう。  (構成・安永美穂)

 
坪倉祐一先生(駿台予備学校 物理科講師)
つぼくら・ゆういち 現役生から高卒生までの幅広いクラスを指導。本格的な授業が支持を得ている。教材執筆や模試の出題も担当している。