受験シーズンが近づいてきた。万全の状態で本番当日を迎えるため、感染症を予防するポイントを今から知っておこう。風邪やインフルエンザ、ノロウイルスに負けないために、どんなことに気を付ければよいか、内科医の川村昌嗣先生に聞いた。  (山口佳子)

寝る時はネックウオーマー

朝起きて、「なんだか喉が痛いな」という経験をしたことがある人は多いだろう。口を開けて眠っていると、喉や鼻が乾燥して粘膜が痛むため、ウイルスが体に侵入しやすくなる。

おすすめは、ネックウオーマーを使うこと。首から鼻までが覆える幅の広いもので、自分で肌触りが良いと感じられる綿などの素材を選ぶといい。マスクでも良いが、眠っている間に外してしまうことが多い。ネックウオーマーなら下にずれるだけで、すぐに良い位置に戻せる。

マスクの内側にティッシュ

これからの時期に特に気を付けたいインフルエンザやノロウイルスなどにかからないためには、ウイルスを体内に入れないことが基本だ。不繊布マスクは正しく使えばとても有効。鼻とマスクの間に隙間が開かないように、装着時には小鼻の横を押さえつけると良い。マスクの内側に小さく折ったティッシュを挟むのも効果がある。

マスクを外す時、中央部分には触らないよう気を付けよう。呼吸の際にブロックした細菌やウイルスが付いている可能性が一番高いからだ。常に端を持ち、使い捨てにする。マスクをしていない時にせきやくしゃみを目の前でされたら、なるべく早くうがいをしよう。

体温を意識的に上げよう

受験生なら、インフルエンザの予防接種も受けておきたい。接種後2週間から効き始め、5カ月間は有効だとされるが、予防接種で作った抗体よりもウイルスの量が多ければインフルエンザにかかる。抵抗力をつけるためには、体温を保ち疲労をためないことが大事。十分な睡眠、身体を冷やさないこと、規則正しい生活のリズムを心がけることが重要だ。

「追い込みの時こそ体を冷やさないことを心がけ、免疫力を落とさないようにしましょう」と川村先生。ハイネックのシャツを着る、靴下を履く、厚手のパジャマを着るなどの工夫はもちろん、温かなものを飲食するのもいい。また、意識して筋肉に力を入れて体温を上げるのもオススメ。①脇を締める②おなかに力を入れる③足を踏ん張る、といった簡単な動作だけでも体がポカポカしてくる。

 
 

川村昌嗣先生

(川村内科診療所院長)
かわむら・まさひで 内科医。慶應義塾大学医学部卒。予防医学にも詳しい。