英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は9月26日、世界の大学を研究の影響力や国際性、海外の研究者からの評判などで順位付けした「世界大学ランキング」の最新版(2019年版)を発表した。日本からは昨年より14校多い103校がランクインした。日本の最上位は東京大(42位)で、京都大(65位)が続いた。東京大は今年もアジアトップの座を逃した。(日本からランクインした大学一覧を記事末尾に掲載)

ランクインするには各大学が自主的にエントリーしたうえでスコアが上位になる必要がある。日本からは103校がランクインした。1つの国からランクインした校数としては米国(172校)に次ぐ多さだ。日本の内訳は国立55校、公立10校、私立38校だった。

東京大(昨年46位)、京都大(昨年74位)とも昨年より順位を上げた。ただ、東京大は4年前に23位に入り、アジアでトップだったが、翌年には43位に順位を落とし、シンガポール国立大にアジアトップの座を譲った。今年のアジアのトップは、中国の清華大(22位)だった。4年前には、東京工業大、東北大、大阪大は200位以内には入っていたが、今年は3大学とも251~300位だった。

世界大学ランキング2019の上位にランクインした日本の大学

日本の公立大で最も順位が高かったのは、首都大学東京(401~500位)で、601~800位の会津大学と横浜市立大が続いた。日本の私立大のトップは、401~500位の藤田保健衛生大と帝京大で、601~800位の慶應義塾大、近畿大、立教大、早稲田大などが続いた。

ランキングは、順位づけの基準によって左右されるため、絶対的な評価ではないとはいえ、THEのランキングは世界的に注目され、留学する大学を選ぶ指針としても使われている。①教育力②研究力③研究の影響力④国際性⑤産業界からの収入―の各分野を設けて大学の実績を調べたり、世界の研究者にアンケート調査をしたりして順位を決める。順位付けの基準は、研究や大学院教育を重視している。このため学部教育が中心の大学や人文社会系の大学より、大学院の規模が大きい大学や医学系の学部をもつ大学が上位に入りやすい傾向がある。

日本から上位にランクインした大学は次の通り。★は私立大、◎は公立大、無印は国立大

【42位】 東京大

【65位】 京都大

【251~300位】 大阪大、東北大、東京工業大

【301位~350位】 名古屋大

【401~500位】 ★藤田保健衛生大、北海道大、九州大、★帝京大、東京医科歯科大、◎首都大学東京、筑波大

【601~800位】 千葉大、広島大、★順天堂大、★慶應義塾大、★近畿大、神戸大、★日本医科大、★立教大、◎会津大、★早稲田大、◎横浜市立大

【801~1000位】 ★愛知医科大、浜松医科大、★兵庫医科大、★東京慈恵会医科大、香川大、金沢大、★関西医科大、高知大、熊本大、九州工業大、長崎大、◎名古屋市立大、新潟大、岡山大、◎大阪市立大、埼玉大、◎札幌医科大、信州大、★東邦大、徳島大、東京農工大、★東京医科大、★東京理科大、豊橋技術科学大、山形大、山梨大、横浜国立大

【1001位~】 秋田大、★青山学院大、★千葉工業大、★中部大、★中央大、★同志社大、愛媛大、電気通信大、福井大、岐阜大、群馬大、★法政大、◎兵庫県立大、茨城大、岩手大、鹿児島大、★神奈川大、★関西大、★北里大、★工学院大、★関西学院大、京都工芸繊維大、★明治大、★名城大、宮崎大、室蘭工業大、長岡技術科学大、名古屋工業大、◎奈良県立医科大、お茶の水女子大、大分大、◎大阪府立大、★立命館大、琉球大、佐賀大、★埼玉医科大、★芝浦工業大、島根大、◎静岡県立大、静岡大、★昭和大、★上智大、★東海大、★東京農業大、★東京都市大、★東京電機大、東京海洋大、鳥取大、富山大、★東洋大、宇都宮大、山口大