全国高校総体(インターハイ)レスリング男子の個人対抗戦が8月6、7日にメッセウィング・みえで行われ、125キロ級は宮本海渡(千葉・日体大柏3年)が優勝した。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

インターハイレスリング男子の個人対抗戦125キロ級で優勝した宮本海渡(左)

練習重ねた技繰り出す

全国選抜の王者にふさわしい力強さで、準決勝までの4試合を相手に1ポイントも与えず、順当に勝ち上がった。決勝を前に55キロ級の竹下雄登と92キロ級の白井達也、日体大柏で同じ3年のチームメイトがともに準優勝に終わり、宮本海渡は「(チームが)個人戦のタイトルなしでは悔しい。何が何でも自分が獲る」と闘志を燃やしていた。

奥村総太(滋賀・栗東3年)との決勝でも、第1ピリオドに1点を先取。しかし、第2ピリオドに大技を繰り出されて1-4と逆転されてしまう。流れが相手に傾きかけたが、「ずっと練習してきた」という片足タックルで、自分よりひと回り大きい奥村を気迫で押し倒した。さらに残り1分を切ってからバックを取って再逆転、劇的な形で優勝を決めた。

「(この階級では)自分は体が小さい。大澤(友博)先生からは『大きい選手から取れる技は片足タックルだ』と言われていたので、毎日、片足タックルをしてからの戦い方に取り組んできました。森下(史崇)先生や津久家(裕)先生にも教えていただき、積み重ねてきたことがこういう試合で出るんだなと実感しています」

インターハイレスリング男子の個人対抗戦125キロ級で優勝した宮本海渡

団体王者の意地、個人タイトル死守

高校入学時は(選抜大会で設定されている)84キロ級。筋力を増やして96キロ級になったが、同じ階級に実績のある白井がいたことから、宮本がさらに上の階級に入ることになった。「去年のインターハイが終わってから、足腰を中心に全体的に筋トレをして、食事の面でもお菓子やジュースは摂(と)らないように、バランスの良い食事をするようにして体重を増やしました」

たゆまぬ努力が実を結び、学校対抗戦で3連覇を果たした王者の意地で、最後の最後に宮本が個人タイトルを死守した。