世界の高校生が化学の実力を競う「第50回国際化学オリンピック」が7月19日から29日までスロバキアのブラチスラバとチェコのプラハで行われた。大会には、日本から4人が参加し、石井敬直君(東京・筑波大学附属駒場高校3年)が金メダルを獲得し、2人が銀メダル、1人が銅メダルを獲得した。日本代表が金メダルをとるのは5年連続、代表全員がメダルを獲得するのは15年連続。

第50回国際化学オリンピック日本代表の4人。左から福本優斗君、西口大智君、石井敬直君、増永裕太君(日本化学会提供)

世界76カ国・地域から300人が参加

国際化学オリンピックは、高校などに在学する20歳未満の生徒が対象で、今回は76カ国・地域から300人が参加。それぞれ5時間の実験、理論の問題に挑んだ。金メダルは参加者の約1割に、銀メダルは約2割に、銅メダルは約3割に与えられる。

「足りないもの感じた」

今回、銀メダルを獲得したのは、西口大智君(兵庫・甲陽学院高校3年)と増永裕太君(神奈川・聖光学院高校3年)の2人。福本優斗君(大阪・大阪星光学院高校3年)は銅メダルを獲得した。金メダルを獲得した石井君は「今回の大会でまだまだ自分に足りないものを感じたので、将来それを伸ばしたい」と話した。
 日本代表は、昨年夏の国内大会「化学グランプリ」の成績優秀者などから代表候補が選ばれ、選抜を経て決まった。2021年の第53回国際化学オリンピックは日本で開催され、試験やセレモニーは近畿大学で行う予定。

化学の魅力や楽しさを聞いた

石井君 自然科学一般に当てはまることだと思いますが、やっぱり自然界に起こっている現象を説明できることです。
 西口君 なぜこういう反応が起きるのか、なぜこういう現象が起きるのかを理論的に考えることができることです。
 増永君 実際に物事を解明するだけでなく、終わりがないからいろいろ新たな疑問が湧いてくるところです。
 福本君 あらゆる物質の創造やその性質を説明したり作り出したりするところが醍醐味だと思います。
 

左から石井君、西口君、水落敏栄文部科学副大臣、増永君、福本君(7月30日の文部科学省表敬訪問)