昨年の東京でのサマースクー 昨年の東京でのサマースクール。夜は、高校生と社会人、大学生と語り合った 語り合う

東京・長野・徳島・宮城で8月開催

米ハーバード大学の寮生活を模した高校生向けのサマースクール「HLAB(エイチラボ)」が、夏休みに国内4地域で開催される。大学生や社会人と交流しながら、関心のある分野や進路を探すプログラムだ。
 一般社団法人HLAB などが主催し、8月に東京(14 ~ 22日)、長野県小布施町(14 ~ 20 日)、徳島県牟岐町(16 ~ 22日)、宮城県女川町(14 ~ 20 日)で開催される。募集人数は東京が80 人、女川が60 人、残る2地域が50 人。

海外大学生の授業、社会人の講演など

国内外の大学生200 人以上が運営する。ハーバード大など海外大学生が企画する少人数授業(リベラル・アーツ・セミナー)、社会の第一線で活躍する人による講演、社会人のゲ
ストも交えて自由に語り合う座談会などが開かれる。
 費用は東京が8万円、他地域が6万円(いずれも税別)。選考があり、応募締め切りは6月12 日。詳細は公式サイトを参照。

昨年参加者 「伝える気持ちが大事」英語で笑顔で話し掛けた

千葉の県立高校に通う佐々木昂也君は高校2年生だった2016年夏、HLABの東京でのサマースクールに参加した。きっかけは参加経験のある先輩に「すごく楽しく、インスパイアされた」と勧められたこと。応募には英語で書くエッセーもあった。「英語では得意ではありませんでしたが、学校のALTの先生にもみてもらって仕上げました」

東京のサマースクールには高校生80人が参加した。目標を決めた。「80人全員と話そう」。「名前は?」「どこから来たの?」。北海道・鹿児島・海外…。さまざまな地域からの出身者がいた。「多様性を感じました」。初めは参加者の語学力に驚いたが、話すうちに「同じ高校生」と思えるようになった。

海外の大学生とも仲良くなった。「伝えようという気持ちが大事」と思い、笑顔で話し掛けた。「英語を話すのはこんなに楽しいんだ」と思えた。

海外大学生が英語で教える「セミナー」は、「完璧主義」など複数のテーマを受講した。すべて英語で行われるが、分からないところなどは日本人の大学生がサポートしてくれた。第一線の社会人が講演してくれる「フォーラム」も英語。「英語力が足りないと実感。頑張ろうと思いました」。

こうしたプログラム以外の時間でも参加者同士、あるいは高校生と大学生で、人生や夢について、学校では話さないことを語り合った。「8泊9日でこんなに距離が縮まるなんて不思議だね、と話していました」。サマースクールの終了が近づくと、寂しさから涙を流す人も多かった。

HLABへの応募を検討している高校生には、「自分の(普段の)環境から飛び出してみたい人、生き方、どういう道に進もうか迷っている人」に参加してほしいという。「吸収しよう、自分から働きかけようとすればそれ以上のものが得られる場です」

サマースクールを通じ、高校生同士本音で語り合った(主催者提供写真)