国会や地方議会の女性議員を増やすことを目的とした「政治分野の男女共同参画推進法」が成立した。遅れている女性の政界進出を後押しする狙いで、選挙の候補者数を「できる限り男女均等」にすることなどを政党に促す。来年春の統一地方選や夏の参院選にも適用される。

罰則なし、努力求める規定

条文は、衆院選や参院選、地方議会選に臨む政党・政治団体は、男女の候補者数の目標設定に「自主的に取り組むよう努める」と規定。国や地方自治体には①実態調査②啓発活動③環境整備④人材育成――で協力するよう求めている。ただ、法的拘束力はなく、罰則規定のない努力義務のため、各政党の取り組みが課題となる。

衆院の女性比率は世界158位

世界の国会議員が加盟する列国議会同盟(本部ジュネーブ)が発表した2017年の女性進出に関する報告書によると、衆院議員の女性比率10.1%は193カ国中158位。先進7カ国では最低で、中国(71位)や韓国(116位)より低い。地方議会も16年12月時点では12.6%で、町村では女性議員ゼロの議会が3割以上もあった。

「家庭と両立が難しい」

女性の参画を阻んでいる要因としては、遅くまで議会や会合が続くことも多く、特に子育て中の女性に敬遠されがちなことが指摘されている。内閣府が昨年、全国の女性議員に実施したアンケート(複数回答可)では、「議員活動と家庭の両立が難しい」(78.6%)が「政治は男性が行うものという固定観念が強い」(59.1%)を上回ってトップだった。

政府の第4次男女共同参画基本計画は、20年までに国政選挙の女性候補者を30%に引き上げることを目標としている。しかし昨年の衆院選では、自民党公認候補のうち女性は7.5%、野党も立憲民主党が24.4%と4分の1にとどまり、女性活躍の目標からは、ほど遠い実態が明らかになっている。