国立大学が大学を超えて、運営を統合する動きが相次いでいる。国の財政難や少子化が背景にある。北海道や東海地区で統合の動きが表面化している。大学や学部が統合されるとは限らないが、教育や学生募集への影響が注目される。

国立大は現在、全国に86校ある。私立大や公立大は1つの法人がいくつかの大学を経営するケースがあるが、国立大の場合、1つの法人が1つの大学に限り設置して運営できる。「国立大学法人東京大学」が「東京大学」を運営するといった具合だ。

文部科学省

文部科学省は、これを1つの法人が2つ以上の大学を運営できるように法律を変えることを検討している。背景には、国立大を運営する資金を十分に確保するのが難しくなっていることに加え、今後18歳人口が減ることがある。大学の運営を効率化しながら、教育や研究の質を保ち、強化を図りたい考えだ。

報道や大学の発表などによると、現在までに明らかになっている国立大学の運営統合などの動きは次の通り。ただ、検討の結果により、運営が実現するかどうかは分からない。

名古屋大学(愛知)と岐阜大学(岐阜):運営する法人の統合を検討。それぞれの大学名、学部・学科名は今のまま残すことを検討している。

静岡大学と浜松医科大学(いずれも静岡):運営する法人の統合を検討。2つの大学の再編も検討。

小樽商科大学と帯広畜産大学と北見工業大学(いずれも北海道):2022年度をめどに1つの法人にまとまり、3大学を運営することを検討。