地域の空洞化が懸念

2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から7年が経過した。関連死を含め犠牲者は2万2千人以上、全国で約7万3千人が今なお避難生活を送っている。

避難の長期化で故郷を離れる人も多い。特に被害の大きかった岩手、宮城、福島3県の42市町村のうち半数超の24市町村で震災前から人口が1割以上減り、地域の空洞化が懸念されている。

避難解除でも戻れぬ人も

原発事故などに伴い、県内外に約5万人が避難する福島県では、立ち入りが制限されている帰還困難区域の一部で、再び人が住めるようにする「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」の整備が始まった。しかし、避難指示の解除は4~5年後となる見通しだ。

避難指示が解除された福島県の4町村のうち富岡町と浪江町では、復興庁の調査に対し住民の約半数が帰還しない意向を表明。「医療環境に不安」「原発の安全性に不安」などを理由に挙げた。

復興期間後の支援継続を

政府は、11~20年度の10年間を東日本大震災の復興期間と定めた。前半の11~15年度を集中復興期間、後半の16~20年度を復興・創生期間と位置付けている。この復興期間も21年3月末で終了、復興庁も役割を終える予定だ。あと3年間、復興に向け最大限の努力を続けるのは当然だが、その後の支援体制を検討すべき時期にきている。