英語は受験や就職で重要。文法に口語表現に…と苦戦する人が多いようだ。小学校や中学校の時から授業を受けているのに、身についていないと感じるのはなぜだろうか。私はアメリカ人高校生と交流し話し合う中で、日本の英語教育の問題について考えた。(高校生記者・嶋崎凜=2年)

アメリカ人高校生に日本の英語教育についてプレゼンテーションする嶋崎さん(昨年のAIU米国高校生国際交流プログラムにて、左で発表しているのが嶋崎さん。本人提供)

 

スピーキング力が身につかない

英語を勉強しながらなにか疑問に感じたことや不満に思うことはないだろうか。私は、日本の英語教育に対して問題だと思う点がある。

1つ目に、日本の英語教育は実用的ではないことが挙げられる。学校のネイティヴの先生と話したり、外国人の友人と話したりすると、日本の英語教育で足りないのは、スピーキング力だと感じる。

アメリカ人の友人からは、「日本人は文法が良くできるけれど、話すのはあまり得意ではないみたいね」と言われた。実際に、私もいざ英語で話す時、なんだか文法や構文を意識してしまい、なかなかスラスラと話すことができない。

学んだ英語を活かす機会が少ない

2つ目に学んだ英語を活かす機会が少ないことがある。私の学校では、1年次にしかネイティヴスピーカーと話す授業がないため、英語に興味のない人や、部活や習い事で忙しい人は、ネイティヴスピーカーと話す機会が少ない。

私が学外活動で国際交流をしてみて実感したのは、習ったイディオムをどのような場面で、どのように使うかを実践することの大切さだ。堅苦しい授業ではなく、国際交流をもっと頻繁に行ったり、社会問題から身近なことまでディスカッションしたりするのが良いと思う。

生徒のレベルにあった教育がされていない

3つ目に、学習する生徒のレベルに合った教育がされていないことが問題だと感じる。帰国子女と、はじめて学ぶ生徒では英語力に差があるため、クラスを細かく分けたりしても良いと思う。

4つ目に授業の質の問題だ。日本の英語教育は、塾に行く生徒が多いことから分かるように、学校での教育だけでは十分な受験勉強ができない。日本は比較的学歴社会なので、良い大学に行こうとし、受験生自らが、参考書を買ったり、塾に通ったりしなければならない。英語に限らず、日本の教育には経済的にも負担がかかり、これこそ教育格差が広まる要因だと思う。

教師の質にも問題があると思う。私自身の経験で、「実際今の時代はこういう文法表現はしませんが、教科書に載っているので教えます」と笑って言う先生に教わったことがある。果たして、それは必要な教育内容なのか……。