奈良高校美術部は、全国高校総合文化祭への出展経験がある美術部の強豪だ。普段の部活の様子について、部長の山田優歌さん(3年)に聞いた。

作品を鑑賞する時間を大切に

スケッチやデッサンを繰り返し行い、物を注意深く観察することを大切にし、基礎描写力の向上を目指しています。また、優れた作品をできる限り鑑賞し、感じたことを発表し合い、理解を深める機会をつくっています。2時間の活動時間を集中して制作するようにしています。

絵を鑑賞しあい、感じたことを話し合う。

1年生は先輩の後ろ姿を見て、モチーフを選ぶ時のコツやモチベーションの保ち方、キャンバスに向かう姿勢などを学びます。2年生は次の世代を担う後輩たちに、先輩から学んだことを伝え、次の世代でも部の運営がしっかりとできるよう引き継ぎを行っています。

キャンバスに黙々と向き合う。

合宿では1日中屋外で絵を描く

2年生が主体となってさまざまな会を開きます。5月には新入部員と親睦を深める歓迎会を行います。この会では引退した3年生を招いて新2年生が心を込めて作った昼食を皆で食べます。 

夏には長期休みを利用し、和歌山県で2泊3日の合宿を行います。1日中絵を描いた後に、バーベキューやレクリエーションを行い親睦を深めます。部員にどの行事が一番楽しかったか聞いたところ、やはり合宿と答える生徒が多かったです。一日中屋外で絵を描くことは大変ですが、その分終えた後の達成感は格別なものです。

コンクールで忙しい2学期を終えての12月には、鍋パーティーとクリスマスパーティーを開きます。鍋パーティーで、部員皆で鍋を作ることで一体感を高めます。受験を間近に控えた3年生の先輩方の応援と、勉強の息抜きの場に少しでもなればと思っています。

夏合宿の様子。
【部活データ】
 部員5人(3年生3人、2年生2人)。活動日は午後4時~午後6時。活動時間が2時間と少ないため、短時間で集中して制作に取り組んでいる。コンクールの時期は朝早く来たり、土日にも活動日を増やしたりして、納得いくまで制作。