映画「ジンクス!!!」に出演する山﨑賢人さんは、いま最も旬な俳優だ。役者一本で頑張ることを決断したのは高校生の時。「役名で覚えてもらえる俳優になりたい」と目標を語るその姿から、好きな仕事と向き合う、充実した毎日が垣間見えた。 (文・中田宗孝、写真・玉井幹郎)

「ジンクス!!!」は、日本人大学生の男女の恋愛と、彼らを陰で応援する韓国人留学生の奮闘を描くラブストーリー。山﨑さんは、好きな子になかなか告白できない大学生の雄介を演じている。

「撮影中は監督から『表情が全然ドキドキしてない!』『好きな人が近くにいるんだから、もっと目をそらして!』と、丁寧な指導を受けながら演技に臨みました。あんなに細かい演出は初めての経験でしたが、俳優として成長できました」

雄介ら登場人物による恋の駆け引きに、終始ハラハラしてしまう作品だ。

「見たら絶対に恋したくなるし、自分の思いを相手にちゃんと伝えるって大切だなと感じられる作品です」。高校生には「身近に好きな人がいるのに、何も行動しないなんてもったいない! 頑張って気持ちを伝えてほしいですね」とエールを送る。

俳優の仕事を本格的に始めたのは高校時代。ある撮影現場で目にした光景が忘れられない。

「僕が自転車に乗るシーンの撮影でした。スタッフの方が、自転車のスピードに合わせるために、カメラを載せた台車を必死に押していたんです」

いい映画を作るためにスタッフが団結する姿は「とてもまぶしく見えました」と振り返る。

3年生になり、卒業後の進路を「進学せず俳優になる」と決めた。

「先輩の俳優や撮影スタッフなど、僕の周りにいた大人たちがカッコいい!と思えたのが俳優になろうと決心した理由の一つ。演じることが好きなので、それを仕事にしたい気持ちも強かった」

今は、情熱を持った大人たちに囲まれて、大好きな俳優の仕事に打ち込んでいる。「演じた役のイメージを常に壊す」役者になるのが夢だ。

「(高校時代は)勉強も遊びも恋も、自分がやりたいと思ったことは、臆することなくやってみた方がいい。そして、自分の将来の夢や、好きなことが実現できる進路を見つけてください」

【やまざき・けんと】
 1994年9月7日、東京都生まれ。2010年にドラマ「熱海の捜査官」で俳優デビュー。映画「管制塔」(11年)、「Another」(12年)で主演。14年春公開予定の映画「L♡DK」に、剛力彩芽とダブル主演。来年1月からは「チーム・バチスタ4螺鈿迷宮」(関西テレビ・フジテレビ系)に出演する。