インターハイ卓球女子シングルスで優勝した梅村優香

全国高校総体(インターハイ)卓球の女子シングルスが7月31日から3日間に渡って郡山総合体育館で行われ、8月2日の決勝で梅村優香(大阪・四天王寺3年)が岩越帆香(福岡・希望が丘3年)を3-0のストレートで下し、個人戦では自身初となる日本一に輝いた。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

「3冠」狙うもダブルスは準決勝敗退

前回のインターハイはダブルスが準優勝で、シングルスが3位。学校対抗(団体戦)こそ優勝の喜びを味わうことができたが、個人戦ではあと一歩のところで優勝を逃した。そんな経緯もあり、梅村にとって最後のインターハイとなる今大会は強い決意で「『3冠』を狙っていた」。

しかし、塩見真希(大阪・四天王寺2年)と組んだダブルスは準決勝で敗れて3位。1つ目のタイトルから出ばなをくじかれ、梅村は「悔しかった。その日は夜まで負けたことを引きずりました」と振り返る。

それでも「気持ちを切り替えて臨んだ」翌日の学校対抗決勝ではチームの5連覇に貢献。シングルスも4回戦までゲームを失うことなく、順調に勝ち上がっていった。

「相手のボールを利用し攻める」スタイルに自信

ポイントとなったのは、2日目の出雲美空(石川・遊学館1年)との5回戦だった。

「今まで3回やって一度も勝ったことのない相手でした。でも、自信を持って攻めていけたことが良かった」と、1ゲーム目を落としながらも逆転勝ち。そこから勢いづき、最終日も前回、そして今大会のダブルスで敗れた〝鬼門〟の準決勝をしっかりと乗り切った。

岩越との決勝は序盤こそ相手にリードを許したが、第1ゲーム中盤からの連続得点でゲームを先取すると、第2ゲーム以降は危なげない戦いぶりで一気に頂点へと駆け上がった。

「中学時代から全国ではベスト4ばかり。もうベスト4はとりたくないなと思っていました。でも、優勝した瞬間は信じられなくて、実感がありませんでした」

身長147センチと小柄だが、「相手の方がやりにくいと思う。不利に感じたことは今まで一度もありません」という。「相手のボールを利用して、チャンスが来たときに確実に決める」スタイルに絶対の自信を持ち、今大会でも自分より体格が勝る相手を次々と破って、自身初の日本一をたぐり寄せた。

同世代には世界の舞台で活躍するライバルたちがひしめく。「自分はまだそのレベルに達していないので、早くみんなのレベルまで行けるように頑張りたい」。悲願の高校チャンピオンとなった梅村の挑戦は、これからも続く。

インターハイ卓球女子シングルスで優勝した梅村優香