全国高校総合文化祭写真部門で文化庁長官賞を受賞した小林紀衣さんの作品「最後まで」

 

7月31日から開催中の第 41回全国高校総合文化祭(みやぎ総文)の写真部門で、小林紀衣さん(北海道・北海高校写真部3年)が最優秀賞と文化庁長官賞に決まった。作品「最後まで」は、バスケットボールがリングに入るかどうか強いまなざしで見つめる選手を真上から撮影したものだ。8月3日、仙台市内の部門大会で表彰される。(文・写真 野村麻里子)

バスケのゴール上から撮影「迫力あるシーンを」

2年生の春、体育館で女子バスケットボール部の先輩が練習しているところを撮影した。「ゴール上からならば迫力あるシーンが撮れるのでは」と思いつき、体育館のギャラリーで三脚にセットしたカメラをゴール上に合わせ、遠隔操作ボタンでシャッターを切った。

モノクロにして選手の目を強調

モノクロにしたのは、目を強調するため。「二人の目がこちらを向いている。モノクロにして格好良くした」という。100枚以上撮影した。ゴールとボール、人の動き、目の構図にこだわった。動きが激しいバスケットボールの1シーンを撮るのは難しく、連写モードでたくさん撮影したという。審査員は「人をこの角度から捉えると、こんなにも不思議な世界が表現できるとは」と評価した。

全国高校総合文化祭写真部門で文化庁長官賞を受賞した小林紀衣さん

きっかけは父の趣味

カメラを本格的に始めたのは高校1年で写真部に入ってからだが、父が趣味で写真撮影をする様子を幼いころから目にしており、入部以前も父の真似をして撮影することはあったという。父の一眼レフを借りて活動している。「写真は自分の表現したいことを他人に伝えることができるもの」だと話す。