7月23日まで開催された国際数学オリンピックと国際物理オリンピックで、日本代表の高校生が相次いで世界1位に輝いた。いずれも高校1年生から3年連続で出場している生徒だ。

国際数学五輪は髙谷悠太君(開成高)

文部科学省などによると7月12日から23日までブラジルで開催された第58回国際数学オリンピック(IMO2017)では、髙谷悠太君(東京・開成高校3年)が111カ国・615人の参加者の中から1位に輝いた(他に他国の2人が同得点)。数学で日本選手が世界1位となるのは8年ぶり4人目。髙谷君は高校1年次から日本代表に選ばれており、成績上位8%程度に贈られる金メダルを昨年、今年と2年連続で獲得。初出場の15年には銀メダルを受賞しており、3年連続のメダル獲得となった。

髙谷悠太君(2015年撮影)

数学オリンピックでは1日4時間半ずつ2日間にわたり6題の難問に挑む。昨年の大会後の高校生新聞の取材に「数学には解答を導くパターンがたくさんある。新しい問題に出合うたび、どう解こうかと試行錯誤する過程が面白い」と数学の魅力を話していた。髙谷君は国際情報オリンピックでも2014年から3年連続で金メダルを獲得して、今年も出場予定。国際科学オリンピック7個目のメダルを狙う。

今年の国際数学オリンピックでは、黒田直樹君(兵庫・灘高校2年)も金メダルを獲得。銀メダルと銅メダルを2人ずつが受賞し、日本代表の6人全員がメダルを獲得した。国別順位は6位だった。

国際物理五輪は渡邉明大君(東大寺学園高)

渡邉明大君(2015年撮影)

7月17日から23日までインドネシアで開催された第48回国際物理オリンピック(IPhO2017)では、渡邉明大君(奈良・東大寺学園高校3年)が86カ国・地域の395人の参加者の中から理論・実験の試験を合わせた総合成績で1位に輝いた。渡邉君は、高校1年次から3年連続の金メダルを受賞。いずれも日本選手として初の快挙だ。

渡邉君は実験試験でも1位だった。今大会前の結団式では「(国際物理オリンピックのための)研修を3年間受けました。過去の研修で得た知識や経験、教訓を生かして、最後のIPhOを全力で楽しんできたいと思います」と語り、3年間支えてくれた人たちへの感謝を述べていた。

今年の国際物理オリンピックでは、吉見光祐君(兵庫・灘高校2年)も金メダル。3人が銀メダルを獲得した。

国際科学オリンピックは数学、物理、化学、生物学、情報、地理、地学を含めた7分野に日本代表生徒が派遣されている。