表彰式の壇上であいさつする橋本将英君 (写真提供・ぴあフィルムフェスティバル事務局)

監督を務めた自主製作映画「流れる」が9月25日、若手映画製作者を対象にした映画祭「PPF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード」で入選を果たした。528作品から選ばれた入選作品は21本。高校生の入選は31年ぶりだ。
 映画は、登場人物が1人で13分の短編。川べりで暮らす孤独な少年の心の変化を、音楽やせりふを用いずに、映像だけで描いた。「主人公の動きや表情だけで伝える映画を目指しました。変化の多いこの時代に、何かにしがみつくのではなく、変化を前向きに受け止めて生きていこうというメッセージを、タイトルに込めました」
 好きな映画を自由に撮れるように、高校1年の夏に仲間と映像研究同好会を立ち上げた。手探りで映画を撮り始め、本作は2作目。脚本を書き上げてから演劇部の樽見啓君(2年)に主演をお願いし、同好会の仲間にビデオカメラを借りて3日で撮影した。撮影現場には仲間も手伝いに来てくれた。「ワイワイ言いながら、楽しかったですね。川べりでの撮影時には、樽見君の大事なジーンズが破けたりするなどのハプニングもありましたけど」
 今後も映画を撮り続ける。「コメディーやシリアスな作品にも挑戦したいですね。映画でどのような表現ができるのかを学び、いつかプロの監督になりたい」と意欲満々だ。
(吉永恵子)