ドラマや映画の主演作が相次ぐ俳優・中川大志さん。最新主演映画「通学シリーズ 通学途中」では繊細な演技を披露した。素顔は普通の高校2年生。悔いが残らぬよう、全力で高校生活を送りたいという。
(文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

カッコイイ恋愛まだできない

「通学シリーズ 通学途中」では、高校美術部員のコウを演じた。コウは一見繊細そうだが、心の中は情熱あふれる人物だという。「身近にいる美術の先生を参考に演じました。絵を描き始めるときの、自分の世界にグッとのめり込んでいく表情や体の動きは特に意識しました」

 高校生たちの切ない恋愛模様が描かれ、「片思いのもどかしさなど、同世代なら絶対に共感してもらえます」と力を込める。

 「コウは自分が傷ついても好きな人のそばで見守り、待ち続ける。男としてカッコイイと思う半面、自分は彼のような恋愛はまだできないです(苦笑)」

教室に入ればだるさ消える

俳優の仕事を離れれば、普通の高校2年生。学校では、休み時間に友人たちとふざけ合って過ごす「とことんマイペースな」(中川さん)飾らない自分がいる。

 「朝起きて、ちょっと憂鬱(ゆううつ)な気分で『まだ寝たいな、学校だるいなぁ』なんて思う日もあるんです。でも、教室にいる友達の顔を見ると、不思議と元気になり『やっぱり学校っていいな』って感じますね」

 学校での楽しみを聞くと「売店で買うアイス!」と即答。「あと、放課後になった時の、あの独特の開放感も最高です」と笑顔を見せた。

 学校と仕事の両立は想像以上に大変そうだが、多くの同世代と過ごせる高校時代の「今、この瞬間」を大切にしたいという。

 「友達と一緒に授業を受けて勉強するとか、高校生の今しかできないことがたくさんある。そう考えると、何げなく制服を着て学校に通う毎日を、悔いのないように過ごしていきたいなって思います」

なかがわ・たいし
1998年6月14日、東京都生まれ。2009年に俳優デビューし、ドラマ「家政婦のミタ」「水球ヤンキース」などで注目を集める。現在放送中のドラマ「監獄学園-プリズンスクール-」「南くんの恋人〜my little lover」で主演を務めている。

「通学シリーズ 通学途中」

 

ユキ(森川葵)は、コンビニでアルバイトをする男子高校生(赤楚衛二)にひそかに思いを寄せていた。だが片思いの相手には、すでに恋人がいた。ユキと同じ美術部のコウ(中川大志)は、失恋した彼女をそっと見守るのだが……。11月21日から全国の劇場で公開。配給:ポニーキャニオン。
(C)みゆ・エブリスタ (C)2015「通学シリーズ」製作委員会