主将、エースとして大きな活躍が期待される半沢凌太

 

 

昨年のインターハイ・バスケットボール男子で初出場3位という好成績を挙げた福島南( 福島)。主力だった上級生が卒業してメンバーの平均サイズも小さくなったが、激しい運動量で相手を上回り、地元福島での優勝を虎視眈々たんと狙う。 (文・写真 青木美帆)

県内無敗も課題は多し

インターハイ県予選決勝リーグは3戦全勝。留学生センターを擁する福島東稜相手にも62-49と危なげない展開で勝利し、2年連続となる出場権を獲得した。

県内では無敗だが、「県外の強いチームと対戦すると差を感じる」と半沢凌太主将(3年)は言う。昨年度の主力は半沢以外の4人が上級生だったため、今年度のチームは試合経験が浅い。2月に行われた東北新人大会は、苦しい場面でチームの若さが出て予選ブロックで敗退、決勝トーナメントに進めなかった。

リーダー不在という課題も浮き彫りになった。精神的な軸となる選手がおらず、自ら志願して主将になった半沢も自覚を欠く行動が多かったという。新人大会後には水野慎監督から辞任を求められる一幕も。しかし食い下がり、現在は練習時から精力的にリーダーシップを発揮している。

運動量で他チームを圧倒


 スタメンの最長身は半沢の188㌢。昨年のチームも全国では小さいチームだったが、今年はさらに小さい。全国の強豪と戦うために、チームは走り勝つスタイルを磨いている。「相手が嫌だと思うくらい動いて動いて、確率の高いシュートで点差を広げていくことを意識しています」と郡司諒(3年)。インサイドを担う半沢と穂積颯人(2年)は、リバウンドを取るだけでなく、速攻の先頭を走って得点をすることも求められる。半沢は「体力的には相当きついです」と漏らすが、「そこで自分たちが走らないと勝てない」とプレー面でも自覚を高めている。

〝福島プライド〟で挑む

地元開催の大舞台。半沢は「部に関わってくださった方に感謝しながら楽しんでやりたい」と抱負を語る。郡司も「これまでの練習や試合で学んだことを出して〝福島プライド〟で優勝を目指したい」と誓った。

TEAM DATA

福島南男子バスケットボール部1988年創部。部員27人(3年生1 0 人、2 年生1 0 人、1 年生7人)。モットーは「勇猛果敢」。平日の練習は2時間、コート全面を使えるのは週2日という環境ながら、強さと速さを追求している。インターハイ出場1回、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)出場2回。