長崎国体少年男子の1回戦(対茨城)で40得点を挙げた角野亮伍(10月18日、長崎県立総合体育館)

長身と高い身体能力、抜群の得点感覚を備え、高校1年時に史上最年少でバスケットボール日本代表候補に選ばれた角野亮伍(静岡・藤枝明誠3年)=神奈川・厚木中出身。長崎国体に、少年男子の静岡選抜メンバーとして出場したが、初戦で茨城選抜に敗退。全国大会でタイトルをつかめないもどかしさを抱えながら、前進を続けている。(文・写真 青木美帆)

3人マークは当たり前

誰もが認める世代屈指の点取り屋。対戦チームは角野を2、3人がかりでマークするが、本人は「もう当たり前という感じ」。細かな揺さぶりと素早いモーションで相手を置き去りにし、観客がため息をつくようなシュートを次々と決める。高校2年時と3年時の全国大会で、1試合41得点という驚異的な数字をたたき出している。

「結果が出せない」葛藤

しかし、角野はずっと葛藤していた。「チームとして結果が出せていない」
 藤枝明誠は昨年、インターハイ準優勝、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)4位。今年は国体も含めた高校3冠の獲得を目標に掲げたが、インターハイでまさかのベスト16に終わった。
 幼いころから父に諭され続けてきた「勝ったらみんなのおかげ、負けたら自分のせい」という言葉が重くのしかかっている。
 99-111で敗れた国体の茨城戦では40得点と活躍したが、「シュートがいくら入っても負けは負け。もっとシュート以外のことを突き詰めていけたのじゃないかと思う」。苦しそうに言葉を絞り出し、ハの字の眉尻をさらに下げる。

冬へ「一からやり直す」

高校最後の戦いとなるウインターカップへの課題は明確だ。リバウンドやルーズボール、さらには「数字に出ないようながんばり」。「ずっと結果を出せてないので、全てのことを一からやり直さなきゃいけない」と気を引き締め、誓う。「絶対に(頂点を)取ります」

 

すみの・りょうご
1996年、神奈川県出身。ポジションはフォワード。U-16日本代表、U-18日本代表。189センチ85キロ。