研究成果をポスター発表する山川さん(3月、関東近県SSH合同発表会で 野村麻里子撮影)

カルメ焼きが膨らむ条件

川越女子高校の山川咲槻さん(3年)は、課外活動で駄菓子の「カルメ焼き」に関する研究を行っている。

カルメ焼きは、上白糖やグラニュー糖といった「ショ糖」と水を加熱して粘度の高い液状にした後、火から下ろし、重曹と卵白を混ぜて作る。重曹が熱分解されて二酸化炭素が発生し、膨張。ふっくらとしたドーム型になる。

中学時代からカルメ焼きの研究をしている山川さんは、ショ糖以外の物質でもカルメ焼きが作れるか実験してきた。チョコレートや塩でも行ったが、作れなかったという。「研究の結果、カルメ焼きを作るには、その物質が、重曹の熱分解温度(65度以上)まで加熱できること、カルメ焼きの中の二酸化炭素が外に漏れない程度の粘度を維持できること、膨張後の形を常温でとどめておけることが必要だと分かりました」

研究はこれからも続く

今回は、「ショ糖以外の糖」でカルメ焼きが作れるかを調べようと、乳糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、でんぷん、トレハロースで実験を行った。しかし、いずれも膨らまなかった。山川さんは「なぜショ糖だと膨らむのか」を調べ、今後はショ糖の「特別性」という視点から研究していきたいと考えている。

(平野さゆみ)