「ひめナビ」について話し合う7人

昨年からSGHの指定を受ける姫路西高校(兵庫)のテーマは「国際社会や地域社会で、世のため人のために貢献できる人間の育成」。生徒たちは大学や地元企業、姫路市などの人たちに学びながら、課題研究に取り組んでいる。

 課題研究の大きな枠組みは「世界都市の構築とネットワーク化」「持続可能な国際社会の構築」「歴史ツーリズムと国際観光開発」「ビジネスのグローバリゼーション」の4つ。2年生から選抜された約50人が7つの班に分かれ、「セグウェイ(電動立ち乗り二輪車)を利用した姫路城の観光開発」といった具体的な研究テーマを決めて取り組んでいる。

地元の魅力をサイトで伝える

このうち、2年生7人のある班は、1年次から姫路の魅力を伝えるウェブサイト「ひめナビ」の制作に取り組んでいる。参考にしたのは、バリアフリーや雨宿り場所など観光客向け独自情報を提供する、奈良県明日香村のウェブサイト「あすかナビ」。開発者の西田純二・京都大学特命教授らの指導を受けながら、明日香村を実際に歩き、サイト作成の助言をもらった。

 昨冬には、姫路駅や姫路城周辺で観光客へのインタビューを行い、姫路の観光の現状を調査したほか、地元企業にも情報提供を依頼した。現在は、これまで集めた情報を集約して発信するためのサイトづくりに力を入れている。

 リーダーの山本彩乃さんは「ナビでは単に観光スポットや特産品を紹介するだけでなく、姫路で暮らす人々の優しさや魅力を伝える〝人情ナビ〟にしたい」と話す。開発費や維持費、広告費といったコスト面や広報の方法など難しい課題も多いが、サイトのオープンを目指して試行錯誤している。

(文・写真 新海美保)